資金管理のためにトレードをどう組み立てていくか、その実例もあげてご紹介!
よくわからないと思っても、一度最後まで読んでみてください。
その後、実際のトレードの時にまた戻って一つ一つ試していくとより理解が深まります。
もくじ
資金管理のまえに家計簿が重要
ここでは「自分が持っているすべての資金」を家計簿のように書き出してみて、それからFXトレードの資金管理をどうしていくか?を考えていきます。
自分の収入・支出を整理し資金をとりわける
まず、自分の収入・支出を整理し海外FXの口座に入れることのできる資金を決めましょう。
下表は「ある人」の収支の例です。
- 収入
毎月 | 年間 | |
給料 | 190000 | 2280000 |
その他収入 | 発生しない月がある | 20000 |
計 | ー | 2300000 |
- 支出
毎月 | 年間 | |
ローンなど | 45000 | 540000 |
アパート家賃と管理費 | 80000 | 960000 |
水道光熱費と通信費 | 9000 | 108000 |
定期代 | 10160 | 121920 |
美容、衣服 | 発生しない月がある | 60000 |
医療費と生命保険 | 13000 | 156000 |
雑費 | 5000 | 60000 |
貯蓄 | 10000 | 120000 |
計 | ー | 2065920 |
この23万円の中から海外FX口座に入れる資金をいくらにするか?考えていきます。
投資は基本的に余裕のあるお金でするものです。
どれだけの資金を海外FXに入金するといいのか?
今回の例だと「差額の23万全部を使ってもいい」と決めることもできます。
⇒この23万円は完全な余裕資金と考えられるからです。
※仮にこの人に貯蓄が全くない場合
⇒XMのボーナス資金3000円のみからスタートした方が良いかもしれません。
ボーナス資金であれば「リスクゼロ」で始められます!
一般的に投資活動にどのくらい余裕資金を振り分けるか?
「リスクの高い投機的な投資活動に振り分けるのは余裕資金の40%以下」と一般的に言われています。
※余裕資金の中からなので、突発的な出来事用のお金も抜いた金額から40%ということです。
40%という金額が多いか少ないかは、個人個人の価値観、生活基準、家族構成となどによって判断が異なると思います。
結論:海外FX口座には1,000,000円からでも3,000円からでもいい
年齢が高い場合、投機的な金融商品はやめましょうという意見もあります。
しかし、海外FXには「ゼロカットシステム」があるのでそういう決め方はしなくても良いと思います。
「資金がゼロになっても精神が崩壊しない金額でやる」という考え方もあります。
投資としてお金が増える可能性もあれば、ゼロになる可能性も当然あります。
初めての海外FXであればなおさらです。
最悪を想定して失っても問題無い金額を設定しましょう。
では次に、「実行レバレッジ」について少し説明します。
実行レバレッジの意味と計算方法
資金管理の失敗を防ぐために知っておくべき「実行レバレッジ」という考え方です。
本当のレバレッジとは、口座に置いている金額で通貨の実物を何通貨買えるかで決まります。
口座資金がいくらあるかで本当のレバレッジは変わってきます。
実行レバレッジ1倍とは?
⇒口座に100万円置いてあって100円通貨を1万通貨買えること。
通貨レートに通貨数を掛けて有効証拠金額で割るだけです。
(有効証拠金額=口座に置いている金額と思ってください。)
※下表は、他になにもポジションを持っていない場合の10000通貨トレードの例です。
(通貨のレートが115.20円なら10000通貨は1152000円になります。)
口座に置いている金額 | 実行レバレッジの計算 | 実行レバレッジ |
1297円 | 1152000÷1297 | 約888 |
20000円 | 1152000÷20000 | 57.6 |
100000円 | 1152000÷100000 | 約11.5 |
1152000円 | 1152000÷1152000 | 1 |
※試算なので実際のレバレッジや証拠金額と少し違うかもしれません。
- XMのようにレバレッジ888→1297円あれば1万通貨のドル/円のポジションを持つことが可能。
(実行レバレッジ888倍) - 口座に100000円ある場合→実行レバレッジは約11.5になります。
(スプレッドと手数料は無視しています)
実行レバレッジはなぜ知っておいたほうがいいの?
「実行レバレッジというものがあるんだな」と知っただけでも・・
ドル/円のトレードはできますが、ロスカットレベルは証拠金維持率20%です。
ドル/円の1万通貨なら、約14pips(14銭)逆行しただけでロスカットになってしまいます。
これでは、頻繁に口座に入金しないといけなくなってしまい非効率です。
ちなみに、このときの実行レバレッジは約384倍です。
なので、「実行レバレッジを低めにしましょう」と言われます。
実行レバレッジから適切な口座資金をどう決める?
トレードする通貨ペアと持ちたいポジションの大きさ(ポジションサイズ)がわかれば「実行レバレッジ」がわかります。
逆に「実行レバレッジをこれくらいにしたい」と決めてから、口座に置くお金を決めることもできます。
口座資金を決める例
ロスカットレベルのこともあるので、海外FXも国内FXも口座にはちょっと多めに入れておいたほうがいいでしょう。
どのくらいかという点は難しいですが、ポンドなど値動きの荒い通貨をよくトレードするなら多めが良いでしょう。
「ドル/円だけ」と思うなら少なめで大丈夫です。
「今のドル/円は一日10pipsも動かないし、短期トレードだけだから3000円だけでやってみるよ」という人がいても良いです。
- 国内FXをしていて新たに海外FXにチャレンジする場合→不安なら実行レバレッジ25倍にしてから始めるのも一つの方法です。
実行レバレッジの計算は、業者レバレッジは関係なく通貨の実物の価格と口座資金の比率だけを見れば良いです。
100円の通貨で実行レバレッジ25倍にするには口座に40000円あればOKです。
- 1000通貨にすれば実行レバレッジが「10分の1」になります。
これなら口座資金を増やさず、そのままでも実行レバレッジをコントロールできます。
正しい答えがなかなか出ないのがこの問題になります。
個人的にはデモトレードを繰り返して、レバレッジや証拠金維持率の感覚を体験で覚えてしまうのが一番いいかなと思います。
ポジションサイズの決め方
何度もロスカットレベルに達していては、上手な資金管理ができているとはいえません。
適切なポジションの大きさ、ポジションサイズをきちんと決める必要が出てきます。
では、10万円くらいは海外FXに使えるとしてポジションサイズや口座資金を考えていきましょう。
まずは、ポジションは一つだけ持つとして、自分のトレード計画を書き出します。
クロス円の通貨ペアA(105円) | クロス円の通貨ペアB(140円) | |
トレードする時間 | 東京時間の数時間のあいだ | ロンドンフィキシング前後2時間 |
トレードする通貨数 | 10000通貨 | 10000通貨 |
口座に置く資金 (預入証拠金) | 100000円 | 10000円 |
業者のレバレッジ | 400倍 | 400倍 |
実行レバレッジ | 10.5倍 | 140倍 |
このトレードのときの必要証拠金 | 3750円 | 3500円 |
使う口座のロスカットレベル | 20% | 20% |
ロスカットレベルになる評価証拠金額 | 19250円 | 1930円 |
ロスカットレベルまで何pipsか (ポジションをとったときの有効証拠金からロスカットレベルの評価証拠金額を引いてpipsにしました) | 770pips | 45.7pips |
トレード中に通貨ペアが上下に動く幅 | 10pips | 50pips |
ポジションサイズ最終結論 | 実行レバレッジが10倍で低く抑えられているな。ロスカットレベルまで770pipsもあるしポジションサイズを増やしても良さそうだ。 10万通貨でも、ロスカットレベルまで500pipsも余裕があるな。10万通貨でやってみるか。 | 実行レバレッジは140倍か。 国内fxよりは高いから海外fxならではだけど、 トレードする時間中に50pipsも動くとロスカットレベルに到達してしまう。 ポジションサイズを変える必要があるな。 口座に10000円しか入れてないし、1回のポジションサイズは1000~3000通貨にしよう。 |
※右側には、口座に10,000円しか置かず荒い通貨ペアをトレードする場合を出しました。
・結果として資金管理ができるようになる!
次に、この計画表から下記内容を考えていきます。
- クロス円通貨ペアAのほうが断然余裕なトレードができそうだな~。
- この海外fxでトレードするばあい、ロスカットレベルは変更はできないとなると、別の海外fx口座を作ってもいいかも。
- クロス円通貨ペアBの場合は、余裕のあるトレードがしたいので口座資金を増やすかポジションサイズを小さくするか、だな~。クロス円通貨ペアAのときと同じように口座資金を10万円にしようかな。
- クロス円通貨ペアBのパターンで口座資金を変えられないならクロス円通貨ペアAみたいな値動きの静かな通貨ペアをトレードすることにしようかな。
- トレードする時間も変えて値動きの小さい時間にすればポジションサイズを大きくできるな~。でもそれだと利益も小さいな~。
もちろん完璧な答えというわけではありません。
あくまで「精神が崩壊しない金額」を念頭にポジションサイズを決めていきましょう。
ストップ注文の決め方
利益確定の注文価格を決める前に(もっというとポジションを取る前)、トレード計画の一番最初に決めるのが適切です。
ポジションサイズがほぼ決まってトレードを実行する場合、資金管理するうえで次に重要になってくるのが「ストップ注文」です。
できるだけストップ注文の位置を最初に考える癖を付けましょう。
※ゼロカットシステムがあるからといって、ストップ注文を入れないのは非効率なトレードになってしまいます。
ストップロス位置、基本の決め方
下記のような決め方が一般的で多くのプロも同じような考え方です。
- ロングポジションなら直近の安値の少し下
- ショートポジションなら直近の高値の少し上
※「逆行しそうな価格の少し外側に起きましょう」ということです。
他には「しこり」といわれる価格で決める方法もあります。
- 過去に「しこり」のできた価格近辺の少し外側
※「しこり」近辺も逆行していきそうな価格だということです。
基本はそういう考えですが、使っているテクニカル分析でも微妙に変わります。
使いやすい方法で試してみて、うまくいかなければ変えるという決め方で充分だと思います。
次によく使われる決め方を並べてみましょう。
よく使われるストップロスの決め方いろいろ
- チャートで決める
これが上に書いた方法でチャートを見れば、すぐに直近の「安値」「高値」がわかります。
- ATRで決める
ATRはその通貨ペアの値幅の平均のような値を出すものです。
(厳密には平均ではないです。)
エントリー位置の価格からATR幅の2倍くらい離れたところにストップロスを置けば大丈夫だろうということで、この方法が昔から使われています。
- ピボットで決める
ピボットは「MT4」「MT5」に標準装備でないのが残念ですが、約定価格を中心に「高確率でこの価格まで動きそう」みたいな位置を出してくれます。
そして、その少し外側にストップ注文を置きます。
ピボットの出るインディケータはabysseなどのサイトでみつけてダウンロードして使います。
- ドンチャンチャネルで決める
ドンチャンチャネルは、カクカクしたボリンジャーバンドのようなインディケータです。
チャートの価格をバンドで上下に包んでいるので、その少し外側にストップ注文を置くという方法です。
- ボリンジャーバンドで決める
おなじみボリンジャーバンドは、今の価格をバンドで包んでいるのでその少し外側にストップ注文を置きます。
・ファンダメンタルでよく騒がれる価格の少し外側に置く方法、キリの良い価格(ラウンドナンバー)の少し外側に置く方法がある。
・なぜ「少し外側」なのかは、スリッページで思った場所で約定せず行き過ぎた場合に備えるため。
・この「少し」もポンドなど値動きの荒い通貨は広めにする。
スプレッドの広い通貨ペアなら、それに加えてもっと広めにする。
スキャルピングでのストップ注文の決め方
ちょっと特殊なのは、スキャルピングのときで「絶対に2pips逆行したら何が何でも切る!」という決め方もあります。
※「2pips」と決めたとしても、スプレッドがそれより大きくては無意味なのでスプレッドも考慮に入れましょう。
利益確定の決め方
なので、ストップ注文ほど神経質にならなくても良いです。
リスクリワード比も大切なので、上でストップ注文を決めた後に利益確定の幅を決めるのが良いです。
※一般的に言われるのは、ストップ注文の幅の2倍以上です。
3倍以上なら資金管理的にもすばらしいとされています。
参考:海外FXをギャンブルにしない!トレーダーの期待値とは?
決め方の例をあげておきますね。
単純にストップ注文の「3倍」などと決める
しかし、相場が急変してすばやくいくつもポジションを取りたいとき「とりあえずの注文」としてこうしておいて後でじっくり注文し直すというときには便利です。
ストップ注文よりも過去に「しこり」があった場所でかつストップ注文よりも幅の大きいところ
図で見るとわかると思います。
そこまで行くと、値動きが止まってしまうことも多く、そこから逆行の危険もあります。
なので、まずはそこで利益確定しましょう!ということです。
※もちろん、ストップ注文よりも幅は広くなっていないといけません。
ファンダメンタルで決める
「ドル/円は105円が意識されている」とか「日本の製造業が想定為替レートを100円にしている」などのファンダメンタルの情報があれば、そこをひとまずの目標にしてもいいでしょう。
タイミングによってはストップ注文にも使えるので、こんなニュースも見ておくとラッキーなことがあるかもしれません。
まとめ
・ストップ注文を間違わずに入れ続ければ、FXにおける資金管理はほぼ成功!
あとは、塩漬けにしたくなるような精神面(メンタル)に気を付けて自分が決めた注文をあまり動かさないようにしましょう。
実際に「実行レバレッジ」「ポジションサイズ」「ストップロス」で許せる価格を決めていくと行ったり来たりになるかもしれません。
最初のうちは必ずこうなります。
しかし、めげずに何度かやり直してください。
必ず最適で気持ちのいいところが見つかるはずです。