「トレンドラインの引き方でトレードの上手さがわかる」という説まであります。
チャート上に引く斜めの線であるトレンドラインは、チャートの「ふり幅」をハッキリ浮かび上がらせます。
これを知っていればすぐに引けて、期待値の高いトレードができます。
さあ、そろそろ引けるようになりましょう!
※水平ラインは別の記事に書きます。
※トレード方法が最後のほうになってしまったのでそれだけ見たい方は、「トレンドラインでトレードに勝つ手法」に飛んでください。
もくじ
一度引いたら戻れない?トレンドラインの効果

テクニカルの基礎ともいわれます。
チャートに隠れた売買ポイントを明確に示してくれますし、エントリーポイントもわかります。
でも「引き方がわからない!」という悩みがとても多いのも事実なのです。
今はどのプラットフォームでも簡単にまっすぐな線(ライン)を引くことができますからこの機会に操作方法も覚えてしまいましょう。
トレンドラインの意味
ここは簡単に書いておきます。
チャートは上下しますがそのふり幅(振り幅、ジグザグの一辺の長さ)がいつも同じだったりするので、これは市場参加者の資金の流れ具合がしばらく変わらないときに顕著です。
そのときに高値や安値を結んでラインを引くと、何度もチャートがトレンドラインに触っては離れていく様子を観測することができます。

※チャートはトレーディングビューより
上の図ですと、S&P500のチャートがたまに安くなるので、その安値をいくつか繋げるラインを引きます。
そうすると、斜めのラインが描けます。
上昇、下降トレンドがはっきりわかります。
→これがトレンドラインです。
トレンドラインはサポートラインになったりレジスタンスラインになったりします。
その後そうではなくなったりもします。
※ボラティリティとは違います。
『海外FXにもボラティリティは必要?ないと危険かも!』
2種のラインとサポートラインとレジスタンスライン
このこともとても重要なことです。
ラインがいっぱい出てくると混乱するので、ここで一度まとめておきます。

トレンドラインを使うメリットデメリット
デメリット→トレンドラインを信じすぎたりいい加減に扱いすぎたりするとなります
※メリットであるトレンドラインの使い方はそんなに難しくないので、安易に妄信してトレードしてしまうとよくわからないうちに失敗を繰り返すかもしれません。
※多すぎるトレンドラインもトレード判断の邪魔になりデメリットになります。
トレンドラインは市場に流れてくる資金の増減や買い手売り手の力の奪い合いが目視でわかるのでトレード判断しやすいのです。
引き方がわからないだけならデメリットにはなりません。
トレンドラインはなぜ線を引いただけで意味を持つのか?
市場参加者の心理と聞いても、今ひとつ意味がわかりません。
最初に書いたようにふり幅をわかりやすくするからというなら、少しわかるかもしれません。
またS&P500の日足を見てみましょう。
これが「ふり幅」

(平行チャネルとかバンドとか呼ばれます。)
下のラインから上のラインに到達するまでの間や、上のラインから下のラインに到達するまでの間の時間が違いますが、それでも同じ「ふり幅」の間で動いています。
→これは、この期間の市場参加者の投下金額や売買の都合がほとんど変わっていないことを示しています。
しばらく同じふり幅が続いているなら、需給か金融政策かはわかりませんがなにかが同じなままということです。
これが崩れるまでは、この角度の上昇トレンドがある前提でのトレードを続けることができます。
この図のチャートは上昇トレンドなので、下側のトレンドラインがサポートラインと呼ばれます。
しっかり同じふり幅を作りながらサポートラインに触っては上昇していっています。
●同じ都合で同じ人々が売買を続ければ同じような「ふり幅」でチャートが動き続ける
●そのドラマが変化してゲームチェンジが起きるまではトレンドラインが効くことになる
※最近のS&P500は下のラインに触る安値は毎月20日前後でいつも同じです。
需給の都合らしく、月末の20日近くに株を売る必要のある人が一定数居るし、また買われる理由もちゃんとあるという相場だということです。
これも政策など何かが変われば終わってしまいます。
※ゲームチェンジとは、ファンダメンタル要因などで市場参加者が逃げ出したり逆に大勢押しかけてきたりするような出来事です。
プラットフォーム別ラインの引き方、消し方
では海外FXでどうトレンドラインを引けばいいのかを人気の業者のプラットフォーム別に解説します。
ほとんどの海外FXでMT4/MT5を使っているので、初心者の方はそれだけ見ても大丈夫です。
MT4/MT5
※この二つの操作方法はほとんど同じなので、ここではMT5の画面で説明します。

メニューから「挿入」「オブジェクト」「トレンドライン」と選び、チャート上でクリックしながらドラッグするとその場所にどんどん引けます。
※ちなみにその右隣の2本ある絵が、平行線(チャネルライン)を引くボタンです。
cTrader
いろいろ触って慣れるといいですよ!
右メニューに斜めのラインの絵があるので、それをクリックし、MT4/MT5と同じように引きます。

FBS Trader
パソコン用もスマホアプリもトレンドラインが引けません。
※トレンドラインをはじめとしたテクニカル分析はMT4など他のプラットフォームで行いましょう。
iforex

iForexのプラットフォームにログインするにはGoogleクロームなどのウェブブラウザからになります。
見たい銘柄を選ぶと注文画面が出て、右上のほうにちょっとしたメニューがあり、その中にラインの絵があるので選ぶと引けます。
MT4/MT5、cTrader、iForexはスマホでもトレードできるのですが、小さな調整が苦手な人は苦手だと思うので、ライン分析はパソコンでするといいでしょう。
トレンドラインを引いて勝つ
それではここから、トレードで勝つための引き方です。
トレンドラインは線なので、起点と終点があるはずです。
それは、目的がトレードのためだからです。
トレンドラインの起点と終点はここ
起点はどこでしょうか。
イラストを描くならラインが始まる起点はとても大切です。
「引き始めに基準にする高値や安値」
「位置を決めるために基準にする高値や安値」でいいでしょう。
この図だと、高値どうしを結びたいので上のほうから引き始めています。
斜めにみていくと途中で目立つ高値(赤い手描きの〇)があり、それが通過点になります。
赤い手描きの〇の一番下を終点にしてもいいのですが、未来の予想もしたいので長めに引きましょう。
図では「2.終点」の場所を終点としました。
下に引きたい時は安値を使います。

「高値が斜めに並んでいるな」などと考えながら自由に引けばいいのです。
どうしても自信がなければ「フラクタル引き」をしてみましょう。
究極のチート技【フラクタル引き】
ここに最初に飛んできた方は、フラクタル引きだけ覚えて帰ってください。
フラクタルは一定の条件がそろうと高値と安値に三角を出してくれるので、それを始点終点にして描いちゃおうというチートな手法です。
それだけで結構トレード判断できるのはすごいです。
手順
- フラクタルを出す
- まっすぐ並んでいる感じのフラクタルのグループをみつけてラインで結ぶ
これだけです。

MT5では、「ナビゲータ」「ビル・ウィリアムズ系」「Fractals」の順に出せば見つかります。

フラクタルは高値と安値に出て、しかもラインを引けそうな並び方をしていることがあります。
まっすぐなラインを乗せてみると、何個もラインを通ることがわかるので、そういうところに引けばいいのです。

サポートラインとレジスタンスラインの決まりごとに従って、チャートが上がっているところには下側のサポートラインを引いてみます。
(下がっていれば上側に引きます。)
思いついたところには全部引いてみます。

できたら眺めてみて、急すぎるラインやすぐに終わる(フラクタルがあまり重ならない)ラインを消して使えそうなのを残します。
これで引けました!

ただし、この例では上昇トレンドラインが下に新たにできています。
そこで、上側の高値がだんだん下がっているのを見るためにレジスタンスラインも引いておくと役立ちます。
あとで「トレンドラインが形作るフォーメーション分析2つ」も読んでください。
気を付けること
「2種のラインとサポートラインとレジスタンスライン」をもう一度見て、意味を復習しましょう。
- サポートは支持線ともいわれて、落ちないように支持します。
- レジスタンスは抵抗線で、上がらないように抵抗しているのです。
ということは、サポートは上昇トレンドの下側に引けばいいというのが自然にわかります。
反対に、レジスタンスは下降トレンドの上側に引けばいいですよね。
それから、フラクタルを使わない方法でも同じですが、微妙にはみ出るヒゲが1本くらいあっても気にしないで全体がまとまっているなら使えると判断しましょう。
トレンドラインでトレードに勝つ手法
基本の使い方だけで普通にちゃんとしたトレードができるのがトレンドラインのいいところです。
「プルバック法」といわれる手法を説明します。
トレンドラインのエントリーポイントとイグジットポイント【テクニカル分析の基礎】
トレンドラインを使ったテクニカル分析は、トレンドが発生して終わるまでを追いかけます。
買い(ロング)のエントリーとイグジット

上の図は買い(ロング)をする手法です。
価格がトレンドラインに数回触っているので、効きそうだと判断したわけです。
一番長いサポートラインは、左端からスタートしていますが、スタートのところでは今後どうなるかわからないので本気で買うわけにはいきません。
そして、損切りは【買った価格のすぐ下】か、【買ったフラクタルの前にラインに触ったフラクタル】です。
ふつうは損切りを狭くしたいので買った価格のすぐ下にします。
しかし、iForexのようにスプレッドが広がる業者で長くポジションを持ち続けたい時は広くしたいので前にラインに触ったフラクタルにします。
この例では、上昇トレンドが弱りつつあるので、「手仕舞い」のところでサポートラインから外れて下がってしまったら、もう利益確定をして次の動きを待つことにします。
売り(ショート)のエントリーとイグジット

「売れる」のところが現実的なエントリーポイントです。
損切りはレジスタンスラインを超えたところで、手仕舞いは利益が出た後にレジスタンスラインを超えたところです。
トレンドラインが形作るフォーメーション分析2つ
トレンドラインのトレード手法はとてもシンプルです。
それは「トレンドフォロー」と呼ばれるもので世界中の投資家が昔から行っていることです。
トレンドラインを何本も引けば三角や平行線ができます。
その形でチャートを見極めて勝っていこうというものです。
今回は、ここでの話題に深く関係する2つを書いておきます。

三角持ち合い
※上の図でブルーの三角になっているところに注目してください。
次に上がるか下がるかはわからないかわりに、次に動き始めたら大きいといわれています。
(それは、三角から価格がどちらかに出てしまった場合です。)
※上の図は「究極のチート技【フラクタル引き】」と同じチャートで、チャート全体がちょっと下げ始めている感じなのです。
そして、上にもラインを引くとこのように三角になるわけです。
売買の力の均衡がくずれると出てしまいます。
たしかに、市場参加者の売買がぎゅーっと同じ価格で集まってしまっているので、力の均衡がくずれればストップロスもババーっと付き、一気に動きますよね。
その後ボラティリティも拡大します。
トレード手法としては、動きが出るまで待ってそっちについていくことになります。
「ロールリバーサル」についてはまた特集します。
平行チャネル
なぜかトレンドラインを引くと、チャートが平行な2本のラインの中にほぼ収まってしまうことがあります。
最初のほうで書いた「ふり幅」が変わらないからこうなるのですが、それがわかればトレード計画も立てやすいです。
トレード手法としては、平行チャネルの中ではラインに触るごとに反対側に細かく売買し、出たらそちらに付いていきます。
フォーメーション分析での勝ち方まとめ
トレンドラインは、トレンドを有効活用するために引くので、それが作る形を使うときも基本はトレンドを見ます。
・上がるなら買う
・下がるなら売る
ライントレードに役立つインジケーター
「フラクタル引き」を使うならフラクタルが必要です。
見つけることができませんでした。
MT4/MT5に無いインジケーターを外から持ってくることができます。
それについても書いているので、探してみたい方は読んでみてください。
『【無料】おすすめの外部インディケータ3つを画像付き解説!【怪しくないの限定】』
どの時間足で引けばいい?【重要ポイントあり】
トレンドラインを引く時間足は、その人のトレードスタイルで決まります。
トレードスタイルによって、1時間足を主に使う人は1時間足に引きます。
ここですごく大切な注意点があります。
これは、中長期のトレンドラインが現在の相場のサポートやレジスタンスになる可能性があるからです。
● 1時間足や4時間足でトレードするスタイルなら、日足や週足にもトレンドラインを引いておく
● 引く順番は「長期の足から短期の足へ」
※トレードスタイルをどう決めればいい?
『スキャルピングと中長期トレードで【ブレイクアウト】を使おう』
『トルコリラでハイリターンを狙う方法とは?』
『【負けても安心!】実は海外FXのスキャルピングは負けた時のリスクが小さいわけとは?』
『海外fx口座を選んでスキャルピングテクニック8パターンをマスターする!』
プラットフォームとずれに関して
MT4/MT5だと特に目立つのですが、長期のチャートに引いたトレンドラインは残ってくれるけど時間足を変えるとずれてしまいます。
そのまま使うと精度が低くなります。
「どの時間足で引けばいい?【重要ポイントあり】」でも書いてあります。

まとめと資料
慣れてきたらフラクタルなしですぐに引けるようになります。
もう一度復習すると、
- サポートラインはサポートするように引く
- レジスタンスラインは抵抗するように引く
これがトレンドラインを引く核の部分になります。
思っていたよりも楽に引けるようになりますよ!
※本格的にトレンドラインの分析をするなら上級編で!
※トレンドを移動平均線からも考察!
『【一度逃げた人用】本当にわかってる?移動平均線のすべて』
『業者別にSMAとEMAを使い分けよう【移動平均線でテクニカル上級をめざす】』
『【計算一切なし!】移動平均線で「損切り」「利益確定」「エントリー」を1度に決める』