「知識はもう良い」と思ってトレードを始めると、ある日ローソク足の使い方に突然自信がなくなります。
誰もが通る道ですが、基礎を見直して解決しておきましょう。
この解説は、ローソク足の知識と相場観を同時に身に着けられるように書いてあります。
市場心理との関係もありますよ!
● ローソク足のメリットデメリット
● ローソク足を構成する部品の詳細説明
● ローソク足と市場の心理
● ローソク足の出し方
もくじ
【猫でもわかる超絶基礎】ローソク足とは
もし海外FXを始めた友達に「ローソク足ってなに?」と聞かれたらどう答えればいいでしょうか?
こう答えればOKです。
初心者として少しトレードを体験してみると、1日のうちで価格が上下しているのを見て困ることがあります。
いつエントリーしていいかもわからなくなってきます。
1時間のうちでも価格はまるで無作為に上下しますし、1分間のあいだでも動くときはすごく動きます。
それをたった一つの形であらわすという、離れ業を成し遂げたのが日本発祥の「ローソク足」です。
上の図は、ラインチャートを重ねています。
ローソク足がどんな価格の上下をあらわしているのかがわかります。
上の図でもわかるように、実際は1日のうちに上がったり下がったりしますが、そのうち最高に重要な価格だけを使って描かれています。
その重要な価格は「四本値」といって4つあります。
では最初に各部の用語の意味を解説します。
ローソク足の要素をあらわす用語5つ
MT4などのチャートを見るとローソク足の色が2色にわかれています。
下がっているローソク足:「陰線」(いんせん)
といいます。
では、ローソク足の形を作るための用語を解説します。
四本値とは
【1本のローソク足を完成させるために必要な4つの数値のこと】です。
- 始値(はじめね)
- 高値(たかね)
- 安値(やすね)
- 終値(おわりね)
以上の4つです。
誰かが勝手に決めた価格と違うのには意味があります。
「この価格なら売ってもいい」「この価格なら買ってもいい」という人が合意して初めて決まる価格です。
今から解説する4つの値にはそんな意味も含んでいるので、それを目に見える形にするローソク足はトレーダーの素晴らしい味方といえるでしょう。
始値とは
【ローソク足の描き始めの点を作る価格】です。
例えば、ドル円が朝一番に140円だったら、これが日足の始値です。
もし1時間足を作るなら「〇時ちょうど」の価格が始値です。
この価格をスタート地点として陽線も陰線も描かれます。
月曜の朝の始値は特に市場に注目されます。
高値とは
ローソク足に対応する時間には、1日とか1時間とか5分とか色々あります。
【その1本のローソク足を作り終えるまでの間で一番高く売買が成立した値のこと】です。
上昇が目立つ銘柄の日足の高値は特に市場に注目されます。
安値とは
【高値とは逆に1本のローソク足を作るまでの間で一番安く売買が成立した値のこと】です。
下落が目立つ銘柄の日足の安値は特に市場に注目されます。
終値とは
【ローソク足が終わる時間に売買が成立した値のこと】です。
特に日足では市場の心理がよく出る値で、「その日の取引が終わるときに市場参加者があきらめて売ってしまったのか」「明日に備えてギリギリまで粘って買っていたのか」のようなことを示唆します。
海外FXでよくトレードするのは為替だと思いますが、それだと24時間世界のどこかで売買が続いているので関係ないように思えます。
しかし、最大の市場であるニューヨークの終わる時間なら意味が出てきます。
ニューヨークのような大きな市場で売られてしまい、終値がすごく下がっているならその通貨の人気が落ちてしまっているでしょう。
反対にぎりぎりまで買われ続けて終値が上がったままその日を終えているなら、人気が過熱していると判断できるのです。
そして、これをヒントに翌日の相場を考えることができます。
また、日足でなく他の足でも1本のローソク足が終わった時の値は意味を持つことがあります。
いずれにしても「その時間が終わるぎりぎりに市場のトレーダーや大口投資家たちは、どうしていたのか?」が出るのです。
移動平均線などのトレンド系、RSIなどのオシレーター系のインジケーターのほとんどはこの「終値」を使って描かれています。
毎日の終値と毎週末の終値は特に市場に注目されます。
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4つの値がどんな出来事を示しているか?
これら4つの値は、このように進んでいきます。
日足で見ていきましょう。
「その日のはじめに始値で売買され、次に上下に動いた。あるときは高値をつけ、あるときは安値を付けた。そしてその日の終わりに終値で売買されて終わった」
というようなストーリーを持っているのです。
ローソク足の形を作る2つの名前
ここまででも「日足」「1時間足」と書いてきました。
「これはそれぞれ「1日をローソク足1本で表現したもの」「1時間をローソク足1本で表現したもの」という意味です。
他にローソク足の太いところや細い縦線にも名前があります。
- 実体(じったい)
- ヒゲ
ではそれぞれ解説します。
実体とは
イメージしやすいと思いますが、太い部分が実体です。
色が塗ってあることが多いですね。
実体は、始値と終値でできていてローソク足の時間の間の上下の動きは関係なく描かれます。
サイトによっては「本体」と書かれることもあります。
ヒゲとは
ヒゲは、ローソク足が終るまでに上下に動いた様子を示します。
安値は下のヒゲ:「下ヒゲ」(したひげ)と呼ばれます。
このヒゲは長いものや短いものがあります。
長ければ:「その間になにかあれるような事件が起きたのかも?」などと考えることができます。
もし短いヒゲのローソク足が何本も続いているようなら:「相場が膠着状態か、あまり売買が成立していないのかも」と読み取ることができます。
細くて存在感がないので軽く思われますが、相場の様子が手に取るようにわかるときがあり役に立つものです。
ローソク足の8つのメリット【すごさの秘密】
- たった1本で一定時間の相場の4つの情報を含んでいる
- 4つの情報以上のことがわかるときがある
- ひと目で直感的に相場を把握することができる
- 1本だけで相場を予測することもできる
- 本数を数えるだけで経過日数(日足の場合)がわかる
- ヒゲの長さだけで買いが強いか売りが強いかわかる
- 実体の長さだけで相場の強さがわかる
- 何本もの組み合わせで相場の予測ができ、そのパターンは膨大
今回は超基礎なので1本だけの話題ですが、組み合わせや前後関係でたくさんの相場読みができるのです。
ローソク足のメリット検証
メリットの「5」と「6」がわかりやすいので検証してみましょう。
● 上のチャートの「とても長い陰線」
実体が長いのは目で見ても面積が大きく派手で力強い印象があります。
そして、相場もそのとおりだったりします。
このローソク足1本の時間内だけでこれだけ下がったのですから、この時間内に売りたい人(トレーダー)が押し寄せているわけです。
実際、次のローソク足とその次のローソク足では「まだまだ売りたい」と3本連続の陰線という結果です。
● 下のチャートの「とても長いヒゲ」
ここまで3本続けて下がってきましたが、何かの理由で「ここまで安くなったら買うつもりで待っていたよ!」という人々が指値などで買い始めてきたようです。
ローソク足1本が出来上がるまでに起きたことは「充分売られて良いところで買われ始めた」という出来事です。
下ヒゲが長くなっているのがその証拠です。
始値のところからグーンと安くなったのに、みんなが買いたいときがやってきてとうとう一度に買われ始めたので実体はそれ以上作られず、長いヒゲとなってちょっと上の終値で終わったということです。
Tweetでも人気のローソク足
Tweetでもフォロワー数の多いトレーダーがよくローソク足のことをつぶやいています。
人気だからといって信じてしまうのもいけませんが、一つの例として良いことを言っています。
ローソク足の4つのデメリット
もちろん、ローソク足にも欠点はあります。
よく言われるパターンの読み方が全部当たるわけではないのは想像できると思います。
これは他のインジケーターやトレーダーの経験で補うことのできる欠点です。
- ヒゲがあっても高値と安値、どちらが先に出たのかは後からではわからない
- 必ずしもパターン分析が全部当たるとは限らない
- 必ずしもフォーメーション分析が当たるとは限らない
- どれも印象的な形のため、それまでの陽線や陰線が頭に残りすぎて今の相場を見誤ることがある
そのため、日足でも前日の終値と当日の始値は同じくらいの値(価格)になってしまいます。
これは為替だけの特徴で、為替でローソク足を読む欠点でもあります。
反対に、株なら「前日よりめちゃくちゃ上がって始まったから今日はみんな買うつもりだ。買いでいいね。」などと分析できます。
ローソク足のデメリット検証
ヒゲが長いと反転するとよく言われますが、どのくらいの長さかも判断は難しいです。
上の図のようにちょっと長いのが出たから反転するかと思っていたら、まだ上昇することもあります。
こういうチャート分析を「パターン分析」「フォーメーション分析」などと言ったりします。
世の中に出回っているこれらの分析方法をうのみにしてやってしまうと、痛い目をみることになります。
※ヒゲの長さはここでチェック!
また、日本に古くからある「酒田五法」もとても優秀な分析方法ですがドル円などの為替には合わないパターンもあります。
こちらも使えそうなものだけを選んで使うのをおすすめします。
例えば、「赤三兵」は底値圏から上昇トレンドに転換すると言われますが、為替だと日足でもそうならないことがあります。
しかも、この形そのものが滅多に出ないのです。
株式には1日のうち夜という休み時間がありますが、為替は24時間取引が行われるのでこのような形を作りにくいのです。
トレーダー目線でのローソク足基本の使い方【1本のローソク足】
何本ものローソク足で市場を分析する方法がありますが、今回はローソク足を2本だけ見て使うことについて取り上げます。
期間に注目した使い分けも書いておきます。
1本のローソク足の基本的な使い方|読み方
すごく当たり前ですが、1本のローソク足が完成するまでに起きていることは以下のようなことです。
もう一度見てみましょう。
これを作っているのは、市場参加者なのでローソク足の形には彼らの心理も出ます。
「ローソク足のメリット検証」に書いたようなことです。
というわけで、基本は以下の3つをチェックすると良いです。
- 高値:前のローソク足よりもすごく高値をつけていたら「買う人が多い=上昇の力が強い」と見ます。
それがヒゲになってしまったら流れを注意深く見ていないと下がるかもしれないので注意です。 - 安値:高値のときとは逆に、すごい安値をつけていたら「売る人が多い=下落の力が強い」と見ます。
しかし高値のときと同じようにヒゲになってしまったら注意深く観察する必要があります。 - 終値:その時間の最後に市場がどう動いたかです。
たとえば業務上、ポジションを閉じなくてはならない大手の機関投資家などの動きなら価格を変えてしまいそうですよね。
そこで、下がったのか上がったのかとか、珍しい価格になっていないかなどをチェックして次のローソク足に備えます。
たとえばニューヨーク時間の終値が20年ぶりの高値などになったら、次は調整の売りが入ったりするのでそれを頭に入れておくのです。
※始値は、FX(為替)では1本前のローソク足の終値と同じになってしまうためあまり見ないのです。ただしFXも土日は休みなので、月曜のあさイチの始値はしっかりと見ておく必要があります。
※前週の金曜日の終値と比べてすごく離れたところから始まっているときは「窓を作っている」といってトレード戦略に組み入れる必要があります。
※「窓」を使うトレードを禁止する海外FXもあるので読んでおきましょう。
日足でいいの?よく使われるのはこの足【期間による使い分け】
「どの時間足を使えばいいのか?」はローソク足の悩みの一つです。
日足がいいのか?15分足が良いのか?最初はさっぱりわからないものです。
海外FXのトレーダーがよく使っている足の使い分けを表にしました。
・相応しいトレードスタイルには〇
・なんともいえないし人によってはありかな?というのは△
・ふつう無理でしょ~というのが×
ローソク足の期間 | スキャルピング | 数日~数か月のトレード | 数か月以上にわたるトレード | ポイント |
---|---|---|---|---|
1分足 | 〇 | × | × | スキャルピングに必須 |
5分足 | 〇 | × | × | スキャルピングや中長期トレードの補助に使える |
15分足 | △ | 〇 | × | 意外と使う人が多い |
1時間足 | × | 〇 | × | 各国市場のはじまりや終わりの様子を見るのに便利 |
4時間足 | × | 〇 | △ | 日足の代わりに出してトレンドラインを引くと引きやすい |
日足 | × | 〇 | 〇 | スキャルパーも1日1回は見るべき基本中の基本 |
絶対にこうするという決まりはありません。
4時間足にトレンドラインを引くとトレードしやすい人が日足にすると、なんとなくやりにくいということがあります。
細かいほうが良さそうなのに、なぜか5分足のほうがスキャルピングがやりやすいという人もいます。
それに、たまにすごい人が「3分足」などを使っていますが今すぐ真似をしても、たぶんうまくいきません。
毎日同じ足でチャートを見ていると、微妙な変化に気づくことがあり勘が冴えるのでトレードしやすくなるばかりでなく自分なりのエッジを見つけることができます。
これはあくまでローソク足を見る前提での参考例で、ローソク足よりも全体のチャートを見たいときに15分足をぎゅっと縮小させて3か月ぶんを見たりする使い方もあります。
※トレンドラインとは
※スキャルピングをしてみたいなら
【負けても安心!】実は海外FXのスキャルピングは負けた時のリスクが小さいわけとは?
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海外fx口座を選んでスキャルピングテクニック8パターンをマスターする!
※ハイローオーストラリアでもローソク足はとても重要
3つのプラットフォームでのローソク足の出し方|使い方
海外FXのプラットフォームでの出し方やちょっとしたポイントを書いておきます。
※iFOREXは業者のオリジナルプラットフォームですが、使い方はTradingviewプラットフォームとほぼ同じです。
※プラットフォームごとに説明しますが、バージョンアップなどでボタンの場所が微妙に違うときがあるので、その場合あきらめずに探してください。
MT4/MT5
上の「ツールバー」にチャートに表示する形を選ぶところがあります。
左から「バーチャート」「ローソク足」「ラインチャート」ですので、真ん中のローソク足を選ぶと表示できます。
もしこのメニューが出ていなかったら、一番上段のメニューから「表示」「ツールバー」「標準」と選ぶと出ます。
※MT4/MT5の使い方と取り入れ方
※おすすめ業者は?
BigBoss(ビッグボス)のFX評判ってどう?特典ボーナスとハイレバの詳細とは?
is6com(アイエスシックスコム)の評判ってどう? 【比較】9メリットと5デメリット
cTrader
上のメニューに三本のローソク足の絵があるので、それをクリックするとメニューが出てきます。
この図だと最初からローソク足の絵が出ていますが、バーチャートやラインチャートのことがありますのでよく探してみてください。
※cTrader詳細解説
【トレーダー目線】cTraderはMT4/MT5より使いにくい?
Tradeview(トレードビュー)の評判ってどう?CTraderがイイねの秘密
Tradingviewプラットフォーム
これもcTraderと似た感じで、上のメニューにバーチャートやローソク足、ラインチャートなどの絵が出ています。
もしローソク足が出ていなかったらクリックして、ローソク足を選びましょう。
※TradingViewプラットフォームを知らない人はここを読むだけでOK
まとめと海外の反応
1本だけで市場の様子を無言で語りつくしてくれるローソク足なので、これを使ってトレードするのは合理的でトレードレベルも上がります。
日本発のローソク足を気に入って使ってくれる海外のトレーダーもよく見かけます。
ただ、大手出版社の本や有名なインジケーターを作った人のブログなどではバーチャート(上の図)が主に使われているようです。
どちらも使い慣れているのでトレードしやすいということではないでしょうか。
初心者の方は今後、日本語でたくさんの海外FXのサイトを見ると思いますのでそこでよく使われている日本のローソク足をぜひ覚えておいてください。
※ローソク足を覚えたら移動平均線にチャレンジ!
【一度逃げた人用】本当にわかってる?移動平均線のすべて
業者別にSMAとEMAを使い分けよう【移動平均線でテクニカル上級をめざす】