FX(外国為替証拠金取引)では、国内のブローカーを利用する「国内FX」と、海外のブローカーを利用するの「海外FX」では様々な点に違いがあります。
国内FXでは金融庁の規制によりレバレッジが最大で25倍に制限されていますが、海外FXにはその規制は適用されないので500倍、800倍、ブローカーによっては1000倍という超々ハイレバレッジでの取り引きが可能です。
その他にも多くのメリットのある海外FXですが、よくわからない点も多く利用をためらっているトレーダーの方もいるのではないでしょうか。
不明点があるため海外FXを利用できていないのであればもったいない話です。
今回は国内FXと異なる「入出金の仕組みやメリット・デメリット」といった有益情報についてお伝えしていきます。
もくじ
海外FXの入出金の際のルール
様々な入出金の選択肢がある海外FX
国内FXであれば入出金の方法で悩むことはありません。
入金が国内銀行送金だけですし、出金も国内銀行送金だけだからです。しかし海外FXには銀行送金だけでなく、クレジットカードによる入出金もあれば、オンラインウォレットのサービスを利用した入出金方法もあります。
この多様性は海外FXの特徴であり、メリットのひとつに挙げられるでしょう。しかし、この入出金方法はブローカーによってかなり異なります。
また入金方法には利用できても、出金には利用できないといった制限もあるので事前の確認が必要です。そのブローカーならではのルールをしっかり把握してこそ、海外FXの多様な入出金方法というメリットを活かすことができます。
入出金方法は大きく分けて3つです。
- クレジットカードによる入出金
- bitwalletのサービスを利用した入出金
- 銀行送金を利用した入出金
この3つの入出金方法の違いや特徴を理解すればまずは充分です。逆に銀行送金しか知らない場合はコスト面などで損をする可能性があります。入出金の方法について特に確認しておく項目としては、3点あります。
- どのくらいの時間や期間で口座に反映されるのか
- 別途手数料はどのくらいかかるのか
- メンテナンス中になっていないか
出金に時間がかかるのは問題ないとしても、入金に時間がかかると証拠金維持率や強制ロスカットなどの関係で問題が生れます。
できる限り迅速に口座に反映される入金方法の方がリスクを抑えることができるでしょう。
また海外FXは超ハイレバレッジの反面、実質的な手数料であるスプレッドがやや広めです。ですからコストを抑えるためにも、なるべく手数料のかからない入出金方法を選択すべきです。
なお、海外FXの場合、入出金方法は変更されるのが当たり前だと考えておいた方がいいでしょう。
知らぬ間にメンテナンス中になって利用できなくなる入出金方法もあります。一度メンテナンス中になると基本的には利用不可能になりますので、他の方法を選択することになるでしょう。
一度入出金方法を確認しても時間の経過と共に変更になっている場合がありますので、公式サイトで常に最新情報を確認してください。
ボーナスの扱いは事前確認が必要
国内FXと海外FXを比較した際に大きく異なるのが「ボーナス」です。
海外FXでは、新規口座開設や入金ボーナス、さらに取り引き量に応じたサービスなど充実しているのです。ここに魅力を感じて海外FXに転向するトレーダーもたくさんいます。
特に日本人ブローカーに人気のある「XM」(XM Trading)では入金100%という破格のボーナスがあり、入金すると有効証拠金が2倍になるという嬉しい特典です。
ただしボーナスは入金した残高と区別されてクレジットと表示され、出金はできません。有効証拠金としてのみ活用できるのです。もちろん超ハイレバレッジを効かせることができますから、有効証拠金としての活用だけでもこのボーナスでハイリターンを獲得することも狙っていけます。
その際に注意しなければならないのは、残高から出金した割合でボーナスが消滅するということです。たとえば10万円の残高があり、その中から5万円出金した場合、残っているボーナスの5割が消滅するのです。後から知らなかったと言っても返還されませんので注意が必要です。
中には「Gemforex」のように残高の一部でも出金するとボーナスがすべて消滅するケースもあります。ボーナスと入出金についてはブローカーによってかなり違いますからしっかりとルールを把握しておく必要があるでしょう。
また、「AXIORY」や「TitanFX」のようにボーナスのサービスを提供していないブローカーもあります。そういったブローカーを利用する場合は入出金の際にボーナスについて特に気にする必要はありません。
ボーナスがない分、スプレッドが狭く設定されていたり、約定力が他社よりも優れているといったメリットがありますからボーナスを扱っていないブローカーを選択するのもひとつの方法です。
入出金方法の面でメリットがあるから、ボーナスのないブローカーを選ぶことも充分考えられます。
クレジットカードを利用する際の注意点
ブローカーによって扱いが異なる
クレジットカードを利用する際は、キャッシング枠ではなく、「ショッピング枠」になります。
利用者によって異なりますが、このショッピング枠までが入金限度です。また、クレジットカードといってもクレジット会社は様々ですが、利用できるクレジットカードはどこのブローカーでも限定されています。
一般的には利用できるブローカーが多いのは「Visa」です。大手のブローカーではどこのクレジットカードが利用できるのか確認してみましょう。
- 「XM」→ VisaとJCBが利用できます。
Visaは最低入金額が500円ですが、JCBは1万円という設定になっています。さらにJCBだと入金は可能ですが、出金には対応していませんので注意してください。JCBだと、出金時は海外銀行送金となります。 - 「Gemforex」→ Visa、MasterCard、AmericanExpress、DinersClub、Discoverといった様々なクレジットカードで入金できますが、出金には一切対応していませんので、出金時はすべて海外銀行送金となります。
- 「AXIORY」→ Visa、JCBが利用できます。
表示している画像は、AXIORYの公式サイトに掲載されている出金についてです。クレジットカードによる出金にかかる期間は最大で20営業日となっています。 - 「TitanFX」→ Visa、MasterCardが利用できます。
- 「iForex」→ Visa、MasterCard、DinersClubが利用できますが、DinersClubについては円建ての口座では利用できません。
クレジットカードによる出金時のルール
クレジットカードの不正な現金化を防ぐため、AML規制(アンチマネーロンダリング)によって、原則クレジットカードによる入金分を出金する際はクレジットカードに限定されます。
またクレジットカードで出金できる上限はクレジットカードによる入金分までです。つまりどのブローカーを選んだとしても、トレードで利益が出た場合、その分も含め全額をクレジットカードで出金することはできません。
入金分以上の金額については出金方法を変えなければならないということです。ここを理解していないと「海外FXで出金拒否された」といった勘違いのクレームに繋がりかねません。
また、クレジットカードによる出金は、キャンセルによる「返金」という扱いになります。そのため一定の期間が経過するとキャンセルできなくなるのです。
その場合は海外銀行送金での出金となりますので、ご自分のクレジットカードのキャンセル有効期間については事前確認が必要になります。また、キャンセルによる返金手続きのため着金に時間がかかります。3~5営業日というケースもあれば、1ヶ月かかるケースもあります。
特に「Gemforex」の場合、期間を問わずすべて現金化可能になっていますので、5万円以上の入金で取り引きが少ないまま出金する際はクレジットカード会社の審査と許可待ちになりますので注意してください。
bitwalletを利用するメリット
コスト面でのメリット
海外FXのブローカーを利用する際に注目されている入出金方法が、オンラインウォレットの「bitwallet」です。事前にbitwallet口座を開設し、そちらに入金しておく必要がありますが、その手間暇をかけるだけのメリットがbitwalletのサービスにはあります。
最大の魅力は「コストを抑えることができる」という点でしょう。国内銀行送金(指定銀行口座MIZUHO)であれば入金手数料は無料です。海外FXでは出金にかかるコストの大きさがデメリットになっていましたが、bitwalletのサービスを利用すれば一律824円の手数料で出金することができます。
海外銀行送金だと中継銀行手数料などリフティングチャージで3,000円~5,000円ほどかかりますので、この差は大きいです。トレーダーにとって嬉しいサービスですが、すべてのブローカーで採用しているわけではありませんので、こちらも事前に確認が必要になります。

- bitwalletのサービスを採用している大手海外ブローカー
「XM」、「TitanFX」、「iForex」など - bitwalletのサービスを採用していない大手海外ブローカー
「Gemforex」(メンテナンス中)、「AXIORY」など
なお、XMについてはbitwalletのサービスを利用できるものの、出金についてはbitwalletによる入金額までという条件がありますので注意してください。
基本的にはクレジットカードによる入金でトレードして得た利益分の出金などにbitwalletのサービスを利用できます。
これができないと、クレジットカード入金で利益が出ても海外銀行送金になってしまい手数料でかなり引かれてしまいます。利益分をbitwalletのサービスで出金できるというのはかなりのアドバンテージです。
その他の面でのメリット
その他にもbitwalletのサービスにはメリットがあります。
それは「迅速さ」です。bitwallet口座への入金は365日、24時間行っており、即時に反映されます。またbitwallet口座から各ブローカーのFX口座へも即日反映されます。証拠金維持率が低下し、追証などが発生して緊急を要する際もbitwalletのサービスであれば充分間に合わせることができるということです。
この迅速に入金できる点は海外FXでは特に重要でしょう。超ハイレバレッジを効かせている場合、証拠金維持率の変動もかなり大きくなってくるからです。有効証拠金には余裕を持っておきたいところですが、相場が急変した際に対応方法を知っておくことは大切なリスクマネジメントになります。

もうひとつbitwalletのサービスで嬉しいのが、6種類のクレジットカードを使ってbitwallet口座に入金ができるということです。
例えば「XM」であればほぼVisaに限定されてきますが、bitwalletのサービスを利用すれば他のカードでの入金も可能です。例えばAmericanExpressのクレジットカードをどうしても利用したい場合、まずbitwallet口座にAmericanExpressから入金し、そこからXMのFX口座に入金すればいいのです。
つまりbitwalletのサービスを利用すれば、使えるクレジットカードの幅も広がるということです。bitwallet口座に入金できるクレジットカードは、Visa、MasterCard、JCB、DinersClub、Discover、AmericanExpressの6種類になります。

ただし、国内銀行送金と異なり、bitwallet口座への入金時に手数料が発生します。
こちらは2020年2月10日より手数料変更となっており、Visa、MasterCardが入金額の4%→入金額の8%、その他のクレジットカードは入金額の5%→入金額の8.5%となっています。
bitwalletのサービスは、2019年8月15日にVisa、MasterCard、JCBがメンテナンス中となり一時利用できなくなりました。より安定したカード決済提供のための値上がりとなっています。


とても便利なbitwalletのサービスですが、海外のブローカーでは入出金方法が突然変更になることがあるので、最新の情報には敏感になることが大切です。
近年のニュースだと2019年に入り、「AXIORY」とbitwalletの提携が解除されています。その後、AXIORYではbitwalletのサービスは利用できなくなりました。また、同時期にXMでは利益分の出金がbitwalletで出金不可となっています。
この問題は他のブローカーには波及していないので限定的ですが、その他の入出金方法も含めて確認しながら利用していく必要があるでしょう。

銀行送金についての注意点
国内銀行送金と海外銀行送金の違い
海外FXを行ううえで柱になってくる入出金方法が「銀行送金」です。
ただし「国内銀行送金」と「海外銀行送金」では異なる点がいくつかありますので、自分が利用するブローカーがどちらなのか把握しておく必要があります。一般的に入金は国内銀行送金に対応していても、出金は海外銀行送金というケースがほとんどです。
そうなると入金時と出金時ではルールが異なるので注意してください。まず異なる点は、「手数料」、「着金までの時間」です。国内銀行送金であれば手数料は無料、着金も即日反映されます。逆に海外銀行送金の場合は手数料が高額で、着金までも時間がかかるということになります。
例えば「Gemforex」だと入金は国内銀行送金に対応していますので、「手数料無料」、「即日口座に反映」となりますが、出金は海外銀行送金です。
ただしGemforexは月1回までの出金手数料を負担してくれる仕組みになっています。出金にかかる期間は3~5営業日です。月2回目からの出金は出金額の2%(または20万円以下の場合は一律4,500円)といった手数料がかかってきます。


「XM」でも入金は国内銀行送金に対応していますが、出金は国内銀行送金と海外銀行送金に分かれ、トレーダーはその選択はできません。
国内銀行送金による出金となっても1~2営業日はかかりますし、手数料が2,500円かかります。海外銀行送金になると2~5営業日かかり、手数料は銀行によって被仕向送金手数料・受取手数料・リフティングチャージが異なります。
そして一番の問題は、「SWIFTコードがない」、または「海外送金に対応していない銀行」では出金できないということでしょう。
対応していないのは、「ゆうちょ銀行」、「じぶん銀行」、「ジャパンネット銀行」、「新生銀行」、「セブン銀行」、「みずほ銀行」(インターネット支店を除く)ですので、ゆうちょ銀行から入金はできても、出金はできないということになります。
銀行送金のデメリットと打開策
銀行送金のデメリットは「手数料がかかる」という点と、「時間がかかる」という点でしょう。
入金については国内銀行送金に対応しているのですぐに口座に反映されますが、出金となると海外銀行送金になるので、やはりかなり待つことにはなります。しかも手数料も高いとなるといいことはありません。
手数料はおよそ2,500円~5,000円ほどです。毎回出金する度に手数料がかかりますから、まとめて出金することがおすすめです。またbitwalletのサービスを利用できるのであればそちらに切り替えるべきでしょう。


そんな中で「AXIORY」は珍しく出金も国内銀行送金が可能です。
「Curfex」という決済システム会社を採用しており、こちらを利用すると出金にもかかわらず「手数料無料」(2万円未満の出金は1,500円の手数料が発生)、「24時間以内に着金」が可能です。
事前にCurfexに登録しておく必要がありますが、これはとても便利です。AXIORYはbitwalletのサービスが利用できませんが、Curfexを利用すればまったく問題なく出金できます。ここはAXIORYの大きなアドバンテージです。

まとめ
やや複雑な海外FXのペイメントですが、最もおすすめなのは「コスト面、口座に反映される時間、利益の出金に対応できているのかという面」を考慮すると「bitwalletのサービス」でしょう。(Curfexが利用できるならば、こちらもおすすめ)
このように超ハイレバレッジでハイリターンが期待できる海外FXとはいえ、なるべくコストを抑えて、出金も手間取らず行える方法をしっかり把握しておくことは大切です。
レバレッジの高さやボーナスの充実ぶりだけではなく、入出金方法にもこだわってブローカーを選ぶことをおすすめいたします。
また、様々変化していきますので最新の情報は常に確認するようにしてください。