しかしiFOREXでは分割決済ができないので、最初から細かくポジションを取っておかなくてはなりません。
今回は、基本的な分割決済のテクニックとともにほかの業者での分割決済の手順も紹介します。
〇 iFOREXは分割決済できない?
〇 iFOREXでポジションを管理する方法
〇 ほかの業者での分割決済の方法【プラットフォーム別】
もくじ
分割決済とは

iFOREXでは分割決済はできません。
対処法は「iFOREXで分割決済と同じ結果を生むための方法」にありますが、最初に分割決済の意味を知っておきましょう。
分割決済の意味
簡単にいうと「ひとつのポジションをいくつかに分けて決済すること」です。
ひとつのポジションは、10万通貨などのまとまりです。
それを2回に分けて5万通貨ずつ決済するようなときに「分割決済する」といいます。
サイトによって「一部決済」と書いてあるところもあります。
多くの場合、ポジションをひとつ持ってうまくいっているけど、今後急に相場が変わるかもしれないと予想したとします。
そのときに、半分とか1/3(3分の1)とかを決済して利益を少しでも確定したいときに使われます。
なぜならリスクが上昇したと気づいたときに少しでも利益確定をすることで、損失を減らせるからです。
※分割決済の反対語は「一括決済」で、意味は文字通り一度にポジションを決済してしまうことです。
※資金管理の全体像
分割決済をしなくてもいい【意外な人】とは

分割決済は、何度も適当にやってしまうと損失がジワジワと増えてしまいがちな手法です。
そうでなくても、利益が小さいままなので嫌になることがあります。
計画を立てる手順も多少の複雑さを伴います。
結局、このような結論になります。
つまりは、初心者の方はこのようなややこしいことを考えず基本に集中したほうが良いと考えたほうが無難といえます。
もうひとつ、実はこんな【意外な人】も必要ないことがあります。
トレードをしていると、ある時に「絶対にリスク覚悟で勝負を挑むべきとき」がやってくるものです。
政治的な変化とか、中央銀行の変化などが起きると何年に一度かのチャンスが巡ってくることがあるのです。
よく「ゲームチェンジャー」といわれる出来事があるような場合です。
そんな時で、しかもある程度の経験があるトレーダーなら分割決済という細かいことをせずにやりたいと思うはずです。
それなら無理してポジションを分ける必要はないのです。(ただし失敗すればヘッジなしと同じ結果になります)
分割決済の有効性を知るには
分割決済が有効な戦略となるかどうかの計画を立てるには、プロフィットファクターを使ったほうが後で困りません。
これはpipsではなく実際の金額で計算すると感覚的につかみやすいです。
しかし、分割決済を使ってみたい方は、苦手意識を持たずにやりましょう。
使う計算は割り算だけです。
「プロフィットファクターから計画を立てる」のところで使い方を書きますので、ここには用語の意味だけ書いておきます。
用語解説【プロフィットファクター】

「プロフィットファクター」は、損失金額と利益金額との比率です。
計算はこのようにします。
すぐに想像できるように、この答えが「1」以上でないと「損失のほうが大きい」となりよくないのです。
「1」よりも小さな数値ばかり出るようなら手法やトレード方針を改善する必要があります。
損切りの指値の場所を決めるのにも使えます。
損切りの幅と利益幅の比率を出せば、それが効率のよい指値かどうかがわかります。
レポートなので当たり前なのですが、MT4/MT5では期間を指定して計算することもできますし、トレーダーによっていろんな使われ方をしています。
今回は、分割決済をわかりやすく考えたいので、ひとつだけのポジションについてのプロフィットファクターを出していきましょう。
※また、このような比率のことを「リスクリワード」「リスクリワードレシオ」などと呼ぶ人もいます。
これは正しくは平均値同士の比率なので、今回使うプロフィットファクターとは出し方が違います。
ただし、同じような答えが出るので同じ使い方、考え方でOKです。
とりあえずは細かく悩む必要はありません。
【例】-100の絶対値は100。+100の絶対値は100。
分割決済のメリット【何かの役に立つものなの?】

最大のメリットは、リスクを小さくできることです。
整理してみましょう。
- ポジションのヘッジになる
- ポジションを持ち続ける不安を和らげることができる
- トレード戦略のバリエーションとなる
こんな良いことがありますが、最後がわかりにくいかもしれません。
トレンドラインを引くなどのテクニカル分析は、人それぞれ違うことがあります。
そこで各自がトレード結果と突き合わせて正しいかどうかを反省し、次に生かしています。
それを続けるのは素晴らしいのですが、まだ自信のない相場分析をしている状態でポジションを毎回、最後まで持ち続けるのはとてもリスキーです。
そんな半テスト段階にこそ、分割決済を利用して「ここまでは絶対に自信がある!」というところである程度の利確をしておけば、テストに無駄な資金を費やすことが減るのです。
また、トレード戦略は一つの手法だけ考えていると失敗が増えます。
何が起きてもできるだけ「想定内」になるようにいくつかの対処法を用意しておく必要があります。
そんなバリエーションのひとつとして、分割決済はとても有効な方法なのです。
分割決済のデメリット

リスクを小さくできるということは、自動的に利益も最大ではなくなります。
これは、世の中に「ローリスク・ハイリターン」な金融商品がないのと同じ理由です。
では、デメリットをみていきましょう。
- ポジションが最後まで成功した場合は、しない場合よりも利益が少なく終わってしまう
- 大切な相場で強く勝負に出るというメンタルが育ちにくい
上の図の例は、ドル円が100円でロングできたとした場合です。
ポジションを10万通貨持ったとします。
1円上昇したところで半分を利確すると仮定します。
スプレッド、スワップ、手数料を無視した単純計算です。
円建て口座として計算しました。
分割決済と一括決済の違い
分割決済時の利益 | 最終決済時の利益 | |
---|---|---|
101円で5万通貨を分割決済した場合 | 50,000円 | 150,000円 (50,000円+100,000円) |
ポジションすべてを102円で利益確定した場合(一括決済) | —– | 200,000円 |
分割決済をすると、そのぶん儲かるはずだったチャンスを逃すともいえます。
この点が、もろ手を挙げておすすめしない理由です。
すごく自信のあるときは、やめたほうがよさそうに感じます。
そこで、分割決済をする目的をはっきりさせて行うべきといえます。
目的は「分割決済のメリット」にあるような利点を得たいということで良いでしょう。
プロフィットファクターを使って計画を立てる方法は、後で「プロフィットファクターから計画を立てる」で確認してください。
iFOREXでは分割決済できないの?

MT4/MT5のように、ひとつのポジションを後で分けて決済することはできません。
「IFOREXでは分割決済はできない」のです。
iFOREXで分割決済と同じ結果を生むための方法
すでにポジションとして持っているものは、分けることができません。
それに対処するためには、ポジションを取る段階で分けて取るしかありません。
iFOREXでの分割決済方法の例
「分割決済のデメリット」のときの例を使いましょう。
ドル円が100円と仮定します。
これで目標の価格である102円にタッチする前に5万通貨だけ決済することができます。
とはいえ、これは仕方なく使う方法で欠点が多数あります。
後で「2万通貨だけ分割決済したい」と思ってももちろんできません。
だからといって、2万通貨のポジションを5つ持つのは正直面倒です。
それからポジションを持つときの約定価格の問題があります。
それを回避したくて別のデバイスでログインしてもどちらかがエラーになります。
この点は解決策がないことを理解しておきましょう。
分割決済の計画の立て方

分割決済を考えるときというのは、ポジションを持つ前です。
その時に同時に損切りの計画も立てるはずなので、その想定した損失を使ってプロフィットファクターを出し、無駄で損ばかりなトレードにならないように調整します。
また「分割決済のデメリット」の例を使います。
プロフィットファクターから計画を立てる
ドル円100円のときに10万通貨のロングポジションを持った場合の「期待できる」プロフィットファクターを出しましょう。
決して、現実になった損益ではなく、未来に起こるであろう「トレード計画用の数値」です。
とはいえ、これが「1」よりも小さいときはトレードをしても無駄と見なくてはなりません。
「1」 を超えるような計画を立てるのが望ましいのです。
ここでは、損切りの幅を1円とします。
分割決済とプロフィットファクターの関係
分割決済時の利益 | 最終決済時の利益 | 損切りの位置 | (期待できる)プロフィットファクター | |
---|---|---|---|---|
101円で5万通貨、分割決済した場合 | 50,000円 | +150,000円 (50,000円+100,000円) | 99円(損失は-100,000円) | 1.5(150,000÷100,000) |
101円で2万通貨、分割決済した場合 | 20,000円 | +180,000円(20,000円+160,000円) | 同上 | 1.8(180,000÷100,000) |
101円で9万通貨、分割決済した場合 | 90,000円 | +110,000円(90,000円+20,000円) | 同上 | 1.1(110,000÷100,000) |
ポジションすべてを102円で利益確定した場合 | —– | +200,000円 | 同上 | 2(200,000÷100,000) |
損切り位置は可能な限り狭くしたいのがトレーダーの本心です。
ぎりぎりの損切り位置は、その銘柄の値幅平均(またはATR)の2~3倍といわれます。
それと分割決済での利益とでちょうどいい場所をこんなふうに試算して決めていく必要があるのです。
こんなふうに試算して、プロフィットファクターもそこそこ良いし、損切り貧乏にもならないような指値を考えていくのです。
ぜひやってみてください。
※MT4/MT5のレポートの出し方
※損切りの決め方のヒント
各業者の分割決済【プラットフォーム別】

ここでほかの業者の分割決済も簡単に解説しておきます。
その他のルールや取扱銘柄は比較ページを見てください。
各業者が使っているプラットフォームは、MT4/MT5かcTraderのどちらかと考えてもいいので、これら2つのプラットフォームの操作方法を知れば、各業者を使っている人もわかると思います。
※業者を比較するには
iFOREX(アイフォレックス)の評判ってどう?【体験談】14メリットと10デメリット
iFOREXでMT4は使える?同時活用で本気のゼロカット
MT4/MT5での分割決済操作と注意ポイント

MT4/MT5では成り行きでしか分割決済できません
操作方法はほぼMT4/MT5共通です。
ここの図とメニュー名はMT5で書いています。
- 「ツールボックス」「取引」を選ぶ
- 決済したいポジション上でダブルクリックか右クリック
- 「注文の変更または取消」で注文種別を「成行注文」にする
- 「数量」を選べるようになるので0.1などの数値を入力して黄色の「成り行き決済」を押せば決済できる

※数量の値の上でダブルクリックするとすぐにポジション画面(注文変更画面)が出て便利です。
※MT4の使い方
【完全版】MT4(メタトレーダー4)のダウンロード・インストール方法
【完全版】MT4(メタトレーダー4)の 操作方法 ~初心者編~
【完全版】MT4(メタトレーダー4)の 操作方法 ~レベルアップ編~
cTraderでの分割決済操作と注意ポイント

cTrsderでは成り行きでなくても予約注文でも分割決済できます。
そのかわりずっとcTraderを立ち上げておかなくてはなりません。
- MT4/MT5と同じように、下に出ているポジションの上でダブルクリックして「ポジション詳細」を出す
- 「ポジション変更」をクリック
- 右上の盾のようなマークを選ぶと予約注文(TP注文)画面になる
- Pipsと取引数量を選んで「適用」を押す

※成り行きで分割決済するときは「ポジション変更」の右下に「ボリューム」メニューがあるので、決めていた数値を入力し、下の緑色の決済ボタンを押します。
※cTraderはここで使います!
【トレーダー目線】cTraderはMT4/MT5より使いにくい?
Tradeview(トレードビュー)の評判ってどう?CTraderがイイねの秘密
まとめ
分割決済は、計画を立てて行うといいと書きました。
とはいえ、何度も似たようなポジションを持っていると、だいたいの感覚を覚えてしまいます。
それにトレードをしていれば「その予定はなかったが、分割決済したほうが良い市場になったみたい」だと感じることも多々あります。
そういうときのためにも、使う予定のない人も試算をしてみるのは良いことです。
いずれにしても、iFOREXではできることに制限があるので、落ち着いた銘柄をスイングトレードするのがよさそうです。
※スイングトレードに使うテクニカル分析はこれ!
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