海外FXに口座開設をしようと手続きをしていると「イスラム口座を開設しますか?」と聞かれることがあり、不思議だった方もいるのではないでしょうか。
「イスラム口座」と「スワップフリー口座」は、ほぼ同じ意味ですが細かく分けると違ってきます。
イスラム圏の方だけが作れるものとそうでないものがあって、日本のトレーダーは「スワップフリー口座」を使うことができます。
・スワップフリー口座のメリット・デメリット
・スワップフリー口座の使い方テクニック
・スワップフリー口座を作れる海外FX業者
・スワップフリーできる銘柄・できない銘柄
もくじ
スワップフリーとは
次の章でスワップフリー口座について解説します。
スワップフリー口座の意味
金融取引において、利息を付けることを禁止しているイスラム圏の方々のために用意された口座でエクスネスなどの海外FX業者にあります。
※補足:非イスラム圏の人々にもスワップフリーでトレードできる口座として「非イスラム諸国向けのスワップフリー口座」が用意されています。
日本のトレーダーはこちらを使うことができます。
※スワップはこんな使い方をしています
【明日から毎日もらえる!?】海外FXでスワップポイントをもらう方法
スワップのしくみ
※よく経済ニュースなどで「値洗い」といわれるものです。
通貨ペアまたは情勢によって、自分の口座にプラスのスワップが支払われるのか口座からマイナスされるのかは変わります。
そのスワップを期待して、高金利通貨と低金利通貨の通貨ペアでトレードすることは「キャリートレード」と呼ばれて人気です。
キャリートレードでは、毎日スワップを受け取ることができ価格差だけでなく利息での利益が加算されるのです。
では、得をしそうなスワップが一切ない「スワップフリー」契約でのトレードには意味があるのでしょうか?
二つの大きな特色から意味をみてみましょう。
スワップフリー口座の2つの特色
本来の意味のイスラム口座はイスラム圏の方のためにあります。
しかし、日本のトレーダーにとっても得をすることがあるので整理しましょう。
- イスラム圏の方々がFXを楽しめる
- 非イスラム圏の日本向けの口座もある。
これなら日本のトレーダーも使えて、プラススワップだけでなくマイナススワップも発生しないため、トレードしたい銘柄を自由に選べる
日本トレーダーにとって【マイナススワップを気にしなくてもトレードできるなら超嬉しい口座タイプ】ということになります。
※エクスネスでは「スワップフリー取引口座」となっていますが同じ意味です。
次からは非イスラム圏である日本のトレーダー向けの口座についての解説となります。
スワップフリー口座(非イスラム諸国向けスワップフリー口座)のメリット
ここからはスワップフリーによって、どのような「メリット」があるかを解説していきます。
スワップのことを考えなくていい
トレードは細かい計算や予想、メンタル管理と全ての要素を揃えてがっつりと立ち向かうものです。
しかし、できるだけ無駄な手順は省きたいというのもトレーダーの本音です。
時間や手間を断捨離することも時には大切になってきます。
ポジションの持ちっぱなしができる
ポジションの持ちっぱなし⇒別の言い方をすると「長期保有」のこと。
ファンダメンタル理由でポジションを持つ場合、何か月も何年も持ち続けたいときがあります。
例えば、アメリカがずっと何年も景気も良くて利上げを続けているようなときにはドル/円のロングを持ちっぱなしにしたいと思うでしょう。
しかし、ロングでもマイナススワップになることがありそれを毎日観察して口座全体が損失に傾かないように気を付けなくてはなりません。
せっかくドルが上がり続けるだろうと長期で持ちたいのに、マイナススワップになって損をしては残念すぎます。
長期保有コストがゼロになるのは凄いことです。
※スイングトレードはトレンドを確認してラインを引くとやりやすい
トレンドラインの【始めと終わり】はどこ?ラインの消滅条件と高値安値での引き方
スイングトレードに向いている
何となく苦手と自分でも気づいているのに、仕方なく海外FX口座でスキャルピングを続けている人はいませんか?
何故、そうなるのかというと・・
国内業者ではプラススワップだから安心してポジションを持ったら、マイナススワップになっている通貨ペアもありますね。
そこで、何日もポジションを持ち続けるスイングトレードをしたいけどスワップが不安になってしまうのです。
結局その日のうちにポジションを閉じて、スワップ計算とは無縁のスキャルピングやデイトレードを選ぶ羽目になってしまうというわけです。
日をまたぐというのは24時間を過ぎるという意味で、メジャー通貨では市場での24時間の節目は「ニューヨーク時間」です。
ニューヨーク時間の日をまたぐ時間は「日本では午前6時とか7時」です。
これが実質FXの一日の終わりの時間となっており、夏時間と冬時間があります。
そして、前日のその時間以降にトレードをスタートし翌日の同じ時間前までにポジションを閉じればスワップは発生しません。
でも、市場は気まぐれです。
数日間上がり続けるところをロングしつつ、価格調整の下げがあればいったんショートするといったスイングトレードが適切な相場もあります。
ロングかショートのどちらかがマイナススワップになれば、悔しい気持ちを押さえていったんポジションを解消することもあります。
これは、マイナススワップが毎日積み重なっていくのを防ぐためです。
しかし、スワップフリー口座ならこうしなくて済むのです。
スワップフリー口座のデメリット
「スワップフリー口座」なんて初めて聞いたという人もいるかもしれません。
あまり知られていないこともあり、意外なデメリットを持っています。
プラススワップ銘柄の場合の機会損失
キャリートレードという言葉があるように、プラススワップを毎日受け取る利益は上手くすればとても大きくなります。
それができるポジションを持つなら、スワップフリー口座をわざわざ使わなくても良いです。
(ただし、市況変化によってマイナススワップに突然変わることがあるので日々チェックする必要があります。)
スプレッドが広がる可能性がある
業者からすればスワップも利益のうちです。
この事情はトレーダーと同じで業者にとってのプラススワップがなくなるので、その分どこかで稼ごうとするとことも出てくるわけです。
※そういった業者では、スプレッドを広くして利益を確保しようとする場合もあります。
このような理由で、スワップフリー口座ではスプレッドが他と比べて広くなりがちです。
ただし、スワップフリーであってもスプレッドを広げないとしている業者もあります。
または、わかりやすく手数料を設定しているところもあります。
今回取り上げる業者を見たら、特に大きな変化はないようでした。
XMの極のようにスプレッドの狭さで押しているところもあるほどです。
どちらにしてもはっきりとその旨書いてあるところなら、何も書いていないよりも信頼できるとみていいでしょう。
ボーナスは期待できない
反面、HFMのように入金ボーナスとスワップフリー口座を併用できるところもあるので、それぞれの使い方で決める必要があります。
※未入金ボーナスとは、口座開設ボーナスのことです!
【自己資金0で海外FX!】未入金ボーナス採用業者2社比較
なぜか詐欺に使われるスワップフリー口座
トレーダーにそれほど認知されていない時期に多発したのが「スワップフリーを目玉にする詐欺業者」です。
信頼できる取り扱い業者が少なかった時期には、すぐにでもスワップフリーで取引をしたいと飛びついた人もいたようです。
どのような業者かというと、まずは名前を聞いたことのないような初めて見るところでスワップフリーとかイスラム口座とかを全面に押し出しています。
そして、口座を使った後で出金拒否をしたりゼロカット対応ではないとして追証を求めたりします。
レバレッジが高い海外FXでないと思っていた追証を求められては困ります。
このような業者は、見た目もわかりやすく会社概要などを調べてもライセンスがなかったりして判別はしやすいものです。
※詐欺のパターンは決まっている!
【確定方法あり!】海外FXを名乗る詐欺の手口と対策
規約違反の両建てに注意【禁止事項にひっかかるかも】
トレーダーに有利になりすぎるからなのですが、スワップフリー口座だとマイナススワップはなくなるので組み合わせると一層有利に両建てできてしまいます。
プラススワップのある口座でロングポジションを持ち、スワップフリー口座で同じ銘柄のショートポジションを持てば価格変動のリスクを回避しつつプラススワップをもらい続けることができてしまいます。
これは業者にとって不利すぎるので一般的には禁止されています。
そのかわり、一つの口座内では両建てを許している業者がほとんどです。
口座が別かどうかが少しわかりにくいですね。
海外FX業者では、同じFXアカウントの中でいくつものタイプの違う口座を持つことができます。
例えば、1000通貨のポジションを持てる口座タイプは「マイクロ口座」といい、1万通貨以上でないとポジションを持てない口座タイプは「スタンダード口座」といったりします。
両建てに話を戻すと「マイクロ口座とスタンダード口座の間での両建ては禁止」ということを言っています。
もちろんXMでは、他の種類の口座タイプもありますからそれらの口座全てにおいて別口座での両建ては禁止です。
利用規約違反、つまり禁止事項なところがほとんどなので、口座凍結などのペナルティの可能性がありますのでやめておきましょう。
※禁止されているトレードはこんなにあります
【出金トラブル?】海外FXで勘違いしやすい違反トレードと回避方法とは?
アービトラージがわからない?わかるようにします!禁止業者とできる業者
スワップフリー口座の開設が可能な海外FX業者
スワップフリー口座を提供している海外FXで人気なのはダントツで「XM」ですが「エクスネス」や「FBS」も有名です。
選ぶ際のポイントは、スプレッドが上乗せされているかどうかと手数料です。
この2つがトレードの収益に直接つながってきます。
とはいえ、これらの3社はスプレッドも大きな変化がなくスタートの手軽さで選んでも特に問題ないようです。
手数料もゼロのところがあります。
もし、スプレッドのことを考えるのも口座を作るのも手間をかけたくないという理由ならアカウント作成の後でも会員ページから簡単にスタートできるXMのKIWAMI極口座がいいでしょう。
反対に、手間をかけてゲーム性を楽しみたいならエクスネスでじっくりとトレードを積み重ねるというスタイルもありです。
残念ながら日本語サポートがいまひとつで、ワンクリックで口座切り替えもできずメールでの問い合わせが必要なFBSが最終候補となります。
スワップフリー口座のある業者比較
最初に簡単な比較一覧で気になる業者をチェックしましょう。
それなりの大手でスワップフリーの表示もはっきりしているのは以下の4社です。
業者名 | スワップフリー口座名 | スプレッド | 手数料 | 開設方法 |
---|---|---|---|---|
XM | KIWAMI極口座 | XMのほかの口座タイプより狭い | なし | KIWAMI極口座を作れば自動的にスワップフリー |
Exness(エクスネス) | プロ ロースプレッド ゼロ スタンダードセント スタンダード | 基本的に他の口座と同じ | 手数料のある口座からの切り替えの場合は、その口座と同じ | 必要取引量を達成すると切り替え |
HFM | すべて (セント ゼロ プロ プレミアム) | 基本的に他の口座と同じ | 手数料のある口座からの切り替えの場合は、その口座と同じ | キャンペーン時期のみ、決まった銘柄がスワップフリーになる |
FBS | スタンダード セント プロ | 他の口座と同じ | 手数料のある口座からの切り替えの場合は、その口座と同じ | サポートにメールして切り替え ECN口座はできない |
スプレッドが明らかに変わる業者はなかったですが、深夜やNY時間の終わる早朝ではどんなFX業者でもスプレッドは広がるのでそれを知ってポジションを持つ時間帯を決めると良いです。
他にLand-FXも2022年から非イスラム圏でも作れるスワップフリー口座の提供をはじめています。
XM
KIWAMI極口座がそのままスワップフリー口座として機能します。
長期でポジションを持ちたい銘柄があればおすすめです。
この口座は、ほかにも面白い特徴があります。
最大の利点であり特徴が「スプレッドが狭いのに手数料もいらない」という点で、
海外FXでは手数料を払うのが当たり前ともいえたスキャルピングをしやすいのです。
詳細は特集記事で。
【新登場!XMのKIWAMI極口座】スプレッドが狭いのに取引手数料なし
口座開設がまだなら、
最初に初ボーナス(口座開設ボーナス)をもらうためにスタンダード口座を作っておいて、
アカウントができたあとに会員ページにログインしてから【KIWAMI極口座】を追加口座として作るとお得です。
Exness(エクスネス)
XMと比べると影の薄いイメージがありますが、
ここにしかないサービスがいくつもあって知る人ぞ知る海外FX業者です。
“取引コストを可能な限り低く抑える取引環境”
を謳っているだけあって、スワップフリーをはじめFXのスプレッドも0.3からという徹底ぶりです。
レバレッジ無制限も興味深いサービスで、
ルールを理解するまでは少し時間がかかりますが
使ってみるとやみつきになるトレーダーもいるようです。
スワップフリーの条件とスワップフリーエラー
エクスネスでは、スワップフリーについて解説ページが設けられています。
こちら
しかし、ここにはスワップフリー優待になる明確な条件が書いてありません。
おそらく条件が変わっていくからだと思われますが、
自分のアカウントがスワップフリーになりそうなのかどうかは見ることができます。
また、まれにスワップフリーになっているはずなのにスワップを引かれていることがあります。
これが「スワップフリーのエラー」で、
このエラーが起きたらカスタマーにメールやチャットで問い合わせて
対処してもらわないといけません。
かっこよくて使いこなすと面白そうなルールなのですが、
それだけ手間と頭を使いそうなのは覚悟しておきましょう。
HFM(旧HotForex)【キャンペーンのときだけスワップフリー】
HFMではスワップフリー口座という特別なものがあるのではなく、
期間限定で決まった銘柄がスワップフリーになります。
少しほかの業者とルールが違いますが、
キャンペーン期間をうまく使えばスワップフリー取引を楽しめます。
使いやすくレバレッジも高すぎない(1000倍)ので、
気軽に口座を持ってキャンペーンのお知らせを待つというスタンスで良さそうです。
キャンペーン限定だからなのか、原油のCFDもスワップゼロになることがあって、
いつもコモディティのスワップに悩まされているトレーダーにとっては朗報として話題になりました。
FBS
FBSもずいぶん前からスワップフリー口座がありますが、
ECN口座ではスワップフリーにできないのが残念です。
銘柄ではエキゾチック通貨、CFDはスワップフリーになりません。
最低スプレッドが0.5pipsで、XMの極口座よりも広めです。
ただし一番使いやすいスタンダード口座の最大レバレッジは3000倍で、
こちらは海外FXらしい魅力となっています。
スワップフリーの銘柄一覧
今回とりあげた4社でスワップフリーできる銘柄をまとめます。
業者名 | スワップフリー可能銘柄 | スワップフリー不可能銘柄 |
---|---|---|
XM | AUDCAD、CADJPY、EURNZD、GBPNZD、USDCAD、AUDCHF、CHFJPY、EURUSD、GBPUSD、USDCHF、AUDJPY、EURAUD、GBPAUD、NZDCAD、USDJPY、AUDNZD、EURCHF、GBPCAD、NZDCHF、AUDUSD、EURGBP、GBPCHF、NZDJPY、CADCHF、EURJPY、GBPJPY、NZDUSD、SILVER、GOLD (ざっくりいうと、通貨ペア、シルバー、ゴールド) | KIWAMI極口座以外のすべての銘柄 |
Exness(エクスネス) | (スワップフリー優待時) AUDNZD、AUDUSD、EURCHF、EURUSD、GBPJPY、GBPUSD、NZDUSD、USDCAD、USDCHF、USDJPY、AUDCHF、AUDJPY、EURAUD、EURCAD、EURGBP、EURJPY、EURNZD、GBPCHF、GBPNZD、NZDJPY、NZDCAD、USOIL、UKOIL、XNGUSD、XAUUSD、 BTCXAU、BTCXAG、BTCTHB、BTCAUD、BTCCNH、BTCJPY、BTCZAR、株式の一部 (ざっくりいうと、通貨ペア、暗号通貨、株式、ゴールド、オイル) | スワップフリー優待銘柄以外のすべての銘柄 |
HFM | EURUSD、USDJPY、GBPUSD、GBPJPY、AUDJPY、EURJPY、NZDJPY、AUDUSD、AUDNZD、AUDCHF、EURCHF、EURAUD、EURCAD、 EURGBP、EURNZD、NZDUSD、USDCAD、USDCHF、GBPCHF、GBPNZD、NZDCAD XAUUSD、UKOIL、USOIL (ざっくりいうと、通貨ペアとゴールド、オイル) | スワップフリーキャンペーン対象銘柄以外の全ての銘柄 |
FBS | 不明 一般的なメジャー通貨ペアなどはできると思われる | CFDとエキゾチック通貨はできない |
※Exnessだけ独自ルールでスワップフリー銘柄が決まっています。
まず一般口座の段階ですでにスワップのつかない銘柄があります。
それが「スタンダードスワップフリー」銘柄で、ゴールド(XAUUSD)・指数・暗号通貨・株式です。
スワップフリー口座に昇格すると「スワップフリー優待口座」になるので、そのときにはじめてスワップフリーになるものを上の表に記しています。
スタンダードスワップフリー銘柄は、拡張してもスワップフリーです。
HFMではキャンペーン期間内だけとはいえ、
ドル建てゴールド、USオイル、UKオイルがスワップフリーになるのがすごい事です。
まとめ
スワップフリーのトレードを楽しみたい場合、どの業者にするか迷いますが、
個人的にはすでに持っているXMをメインにして、
次にこちらももう持っているHFMのお知らせを定期的にチェックする
という感じが良いと考えます。
XMは期間限定ではないので何年も持ち続けたい銘柄があるときに使えます。
いっぽうHFMは原油などに動きがあったときのチャンス狙いという使い方ができます。
※MT4とMT5はわかってる?
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