トレンドラインは、テクニカル分析の基本的なツールとして多くのトレーダーに利用されています。
でも、トレードにどれほど有効か疑問に思うことが実はあります。
「トレンドラインが効かない」「トレンドライン予想が当たらない」
こういうことは誰にでもあるのです。
理論と実際のトレードにおける違いについて探り利益に向かっていきましょう。
● トレンドラインは教科書どおり・理論どおりに当たるのか?
● 誰も教えなかった嘘トレンドラインの対処法
● 偽ブレイクの対処法
● トレンドラインでの勝ち方
もくじ
トレンドラインとは【いまさら聞けない?】
トレンドラインとは価格の動きに沿って引かれる直線ですよね。
トレンドラインの基本ルール
ごくごく基本として以下のルールがあります。
- 上昇トレンドなら安値同士を結びます。
- 下降トレンドなら高値同士を結びます。
- 水平ラインもおおきな枠としてトレンドラインの仲間です。
上の図で確認してみてください。
このルールによれば、上昇トレンドなのに上のほうに引くのは間違いかと思ってしまいますが上に引くラインもあります。
厳密にいうと・・
- 上の基本ルールで引かれたラインは「サポートライン」
- 上昇トレンドの上側に引くのは「レジスタンスライン」
- 下降トレンドの下側に引くのも「レジスタンスライン」
なんだかFXで爆益がありそうなトレンドラインです。
逆に「どこに引いても似たようなものだったりして?」と疑念が湧きますね。
当たるのか?効くのか?無意味なのか?
長年FXから退場していないトレーダーが、勝てるようになったきっかけが「トレンドライン使い」になれたからということも多いです。
トレンドラインが効かないときの対処法もありますので、ぜひ最後まで読んでください。
トレンドラインが「当たらない」理由
でも、世の中にはうまい話はないので気を付けることがあります。
- トレンドラインの教科書的な理論はすべて「当たる」わけではありません
- 多くのトレーダーが同じトレンドラインを見るから意味があるのは本当です
- だからといって全部「当たり」なら今頃私たちはみんな億万長者です
世界中の多くのトレーダーだけでなく機関投資家も同じようなトレンドラインを見ています。
簡単にいうと、【その同じラインを見ながらこんな立場の違う人たちが同時に存在してしまう】のです。
立場とは⇒「買うことで勝利を収めたい」「売ることで勝利を収めたい」「参戦せず静観したい」という少なくとも3つの立場です。
それでも逆にその矛盾を利用してトレードするテクニックはあります。
偽ブレイク・嘘トレンドラインもその一つです。
その前にメリットとデメリットを簡単に整理しておきましょう。
トレンドラインを使うメリット
トレンドラインはシンプルで視覚的に分かりやすいツールです。
多くのトレーダーが使用するため、その有効性が高いとされています。
トレンドラインが機能する理由はとてもたくさんあります。
過去のトレンドライン特集ではもっと詳細に書きましたので、ここでは簡単にまとめておきます。
初心者にとってわかりやすく使いやすいツールである
本当に凄いことです。
引くときもチャートの形を見て、ローソク足がはみ出ないようにまっすぐなラインを引くだけです。
ラインを引くツールは全てのプラットフォームに装備されているほど汎用的なものです。
誰にでも使えて、それが「市場も意識しているライン」なら最高に良いツールといえるかもしれません。
引き方とプラットフォームについては過去の記事も参考にしましょう。
※MT4の使い方
【完全版】MT4(メタトレーダー4)のダウンロード・インストール方法
【完全版】MT4(メタトレーダー4)の 操作方法 ~初心者編~
【完全版】MT4(メタトレーダー4)の 操作方法 ~レベルアップ編~
トレンドの識別がひとめでできる
トレンドラインのおかげで明確なトレンドを識別できるのはトレーダーの助けになります。
その次の行動を直感的に決めやすくなるのです。
トレード行動が直感的に決まるという事は、時間と労力の節約にもなります。
※ちなみに「サポートライン」の方向がトレンドの方向です。
上の図で確認してくださいね。
トレードの「入り」「出口」「逃げ道」の意思を決定してくれる
- 「入り」はポジションを持つことです
トレンドラインに価格が触れたところでポジションを持つと決めていれば、それが自分のルールとなり迷いがなくなります。
- 「出口」はポジションクローズのところです
こちらもトレンドラインまでは頑張ってポジションを持ち続けて、目標の近くのトレンドラインに触ったらポジションをクローズして利益を確定するという戦略が立ちます。
逆に「逃げ道」である損切りの場所を同じように決めることができるのです。
このように、あらゆるトレード行動の「めやす」になってくれて背中を押してくれる良さがあります。
※トレンドラインをマスターしたらこちらも読んでみましょう
【ピボットで損切り位置を即決定】FX達人の導入方法|設定|使い方
【計算一切なし!】移動平均線で「損切り」「利益確定」「エントリー」を1度に決める
トレンドの転換を示唆してくれる
上昇トレンドだったとしても、そこを破ることがあります。
※「破る」「抜ける」「突き抜ける」「ブレイクした」などといいます。
チャートが、それまでのトレンドラインで素直に反発せずに無視して逆方向に進んでしまうことです。
下降トレンドに変わってしまったということです。
トレンドが変わった瞬間を教えてくれるなんてすごいテクニカルです。
このことについては「偽ブレイク対処法」で上手な使い方を書いていますので、必ず読んでください。
市場心理の反映
トレンドラインは市場参加者の心理を反映しているのは一目瞭然です。
多くのトレーダーが同じラインを意識すると何が起きるのでしょうか?
ということは、私たちにとってもトレードの予定が立てやすいということになるのです。
※先輩トレーダーはこう予定を立てる!
海外FXで有利!【本物トレードルール10選】
トレンドラインのデメリット【嘘ラインは困る!】
トレンドラインは誰でも引けますし、特別な訓練も資格も不要です。
なんなら、今すぐMT4/MT5のメニューをクリックしてさっと引けてしまいます。
しかし、実際のトレードでは理論通りに行かないことも多いです。
トレンドラインの効果を過信するのは危険で、以下の点に注意する必要があります。
嘘トレンドラインを引いてしまう
正直に包み隠さず書きます。
「トレンドラインに触ったら買うぞ」
「トレンドラインを抜けたら売るぞ」
などなど、本来は正しいトレード戦略のはずが間違った引き方をしたせいで負け続けてしまうということがありえます。
対処法を「嘘トレンドライン対処法」に書きましたので読んでおいてください。
偽ブレイクだらけで不安
トレンドラインを一時的に突破する「偽ブレイク」が頻繁に起こります。
⇒これにより、誤ったトレードを行ってしまう可能性があります。
こういうときにはトレンドラインが効かないので大問題です。
この対処法は「偽ブレイク対処法」に詳しく書きました。
描き方に個性が出てしまう
トレンドラインの引き方はトレーダーの主観に依存するため、同じチャートでもトレーダーごとに異なるトレンドラインが引かれることがあります。
これにより、トレードの判断に差が出ることがあります。
これを防ぐには「基本の書き方を徹底して守り繰り返すこと」です。
トレンドラインの引き方は「トレンドラインの基本ルール」に書きましたので、必要な方はもう一度戻って読んでください。
時間足による効き方の違い
例えば、1分足に教科書どおりのラインを引いても嘘ラインだらけになることがあります。
でも、日足でトレンドラインを引いて長期のトレードをすると大当たりだったりするのです。
時間足ごとにどうトレンドラインを活用するかを考えながらのトレードが必要になってきます。
こればかりは毎日の反省やトレード記録も必要です。
いつも色々な時間足で同じ銘柄を何度も見ていると、どうすればいいかわかってきます。
例えば、「1分足のトレンドラインは新たに引き直そう。トレンドが1時間足と同じ方向になったらそっちにエントリーしよう」などと計画をたてることができてきます。
嘘トレンドライン対処法
ここでは、特に損失につながりやすい「嘘ライン」をどう見抜くかを研究しましょう。
嘘トレンドラインとは
いったんひいてはみたものの、チャートがそのラインを何度も破るのもそうです。
引いたラインからチャートがどんどん離れて、二度と戻ってこないようなときもあります。
このようなラインを引いた時の対処法をいくつか書いておきます。
誰でもできる基本の対処法
まずは正しく引くことです。
この記事でも「トレンドラインの基本ルール」にルールを書きましたのでしっかり覚えましょう。
どっちに行くかわからなくなったときの対処法
せっかくトレンドラインを引いたのに、ブレイクしてしまい嘘トレンドラインになるかもしれない状況です。
上の図のように、上昇トレンドラインの下にチャートが来てしまったときはどうすればいいのでしょうか。
次に上がるか下がるかの判断は、全て当てられるわけではありません。
どんなインジケーターを使ってもダメです。
しかし、オシレーター系を併用するとなんとなく先が見えてくることがあります。
※上の図のようにMACDみたいなのを使う例を示します。
このローソク足チャートを見ると、ほぼ横ばいで直近では高値が下がっています。
下降トレンドラインが引けそうですが、先がわかりません。
そこで、MACDを見ると真ん中のラインよりも上にあります。
かろうじてあるだけですが、まだ上昇トレンドが完全な終わりになっていないことがわかります。
この先は、「下がるとは決まっていない、まだ上昇パワーが残っている」みたいな判断になります。
トレンドラインに再び戻って「下降トレンドラインは引くが慎重に売りをやっていくぞ」のようにやっていきます。
「偽ブレイク対処法」も読んでおいてください。
究極の対処法は「引かない」
もし、ローソク足で相場の雰囲気がつかめると思える人がいたら逆に引かずに、しばらくデモ口座をしてみてもいいのです。
ローソク足の形に慣れると売買の判断もできるようになります。
例えば、上昇トレンドラインを消すつもりだったのに消し忘れていたとしましょう。
このときにチャートはすでに下がっているのに、トレンドラインが目立つのでまだ買うことができると思ってしまうかもしれません。
そんなミスに気付いた人は、思い切ってトレンドラインなしでチャートを読む練習をするのも良いでしょう。
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偽ブレイク対処法
トレンドラインを一時的に突破したのに戻ってしまうのが「偽ブレイク」です。
偽ブレイクはトレーダーを混乱させて自信をなくさせてしまいます。
なぜなら、ブレイクは元々トレンド転換のサインになりうるからです。
今目の前にあるチャートのトレンドを見誤ってしまったら勝てないですよね。
そこで「偽ブレイク」に対処するテクニックが必要になってきます。
では、いくつか紹介しましょう。
- 今見ているよりも長期の足でトレンドを確認してみると、大きなトレンドの一時的な乱れだとわかることがあります
- トレンドラインをもっと長いスパンで引いてみると全体のトレンド・流れがわかります
- スキャルピングなら突破した先に逆張りする戦略もあります
- 中長期にポジションを持つ場合は一時的な乱れだと認識して逆張りはやめましょう
- オシレーター型のインジケーターを同時に見て、トレンドが続いているなら一時的なものだと理解できます
- トレンド型のインジケーターを同時に使っても今のトレンドが崩れているかどうかがわかります
偽ブレイク?から嘘トレンドラインになるとき
このようになるともう嘘トレンドラインの仲間入りになります。
そうなったら、いったんそのラインに頼るのはやめて分析する候補からはずすのが無難です。
新しく引き直すとか別のインジケーターをチェックしてみるとか、そういう方法で抜け出すことができます。
例えば、上昇トレンドラインを何度もブレイクしたなら新たに引くのは下降トレンドラインです。
引くときは高値のほうに合わせて引きましょう。
下降のサポートとなるのは高値がだんだんと下がっていくラインです。
上の図の赤いラインが新たに引いた下降トレンドラインです。
新たに引いた後は、下降が確かなものかトレンドラインに沿って下がっていくかを見つつトレード判断をしましょう。
オシレーター型:買いや売りの強弱を見るインジケーターでチャートの下に表示されることが多い
トレンド型:チャートの上に重ねて表示される、トレンドをみるためのインジケーター
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トレンドラインのリスクはコントロールできる!
ここまで嘘トレンドと偽ブレイクを中心にトレンドラインのマイナス面を見てきました。
リスク管理について最後に考えてみましょう。
偽ブレイクや嘘トレンドラインを引いてしまうことに備える適切なリスク管理とはなんになるでしょうか。
すでにトレードを始めている人には毎日気を付けていることと同じです。
また、この記事で書いたことも含みますがもう一度リスク管理の観点からみていきましょう。
- ストップロスを設定し、損失を最小限に抑える
- ファンダメンタル分析を同時にする
- 別のインジケーターを同時に使う
- 継続的な見直しをする
市場の状況は常に変化するためトレンドラインも定期的に見直し、最新の市場動向に合わせて修正できるような心の準備と実践が大切です。
まとめ
何度も引くのが上達への近道です。
トレンドラインは効果的に活用すれば強力なツールとなりますが、その有効性を過信せず他の分析手法と組み合わせて使うことが重要です。
実際のトレードでは常に市場の変化に対応し、リスク管理を怠らないようにしましょう。
このブログ記事では、トレンドラインの基本からその有効性、そして実際のトレードでの注意点までを詳しく解説しました。
読者がトレンドラインをより効果的に活用できるようになることを願っています。
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