ストキャスティクスの売買シグナルは、RSIにありがちなダマシを大幅に回避できます。
スキャルピングやスイングトレード、どんなトレードスタイルでも超使いやすいです。
● 手法とダマシ回避方法
● MT4/MT5での設定、使い方
● おすすめ相場、おすすめ業者
● 相性のいいインジケーター
● 最高にオイシイ手法「あれ=GCDC」
もくじ
ストキャスティクスとは
MT4/MT5にあり、初心者の方でも簡単にチャートに表示できます。
厳選された歴史に裏付けされて残った2本のラインが、多くのダマシを防いでくれるオシレーターです。
20世紀にジョージ・レーンという人をはじめ、色々な人の手で完成しました。
ストキャスティクスはこんなインジケーター
(オシレーター系のインジケーターです。)
トレンド系と同時に出し、トレンド系の補助として使うことが多いです。
作った人たちは、様々な計算方法で何個も何個も試作して一番良いのを組み合わせました。
使ってみると「なるほど~使いやすいかも」と思わせるものを持っているので、この機会に使い方まで知っておきましょう。
※例外として、スキャルピングをする人はストキャスティクスだけで売買することもあります。
オシレーター系の他の仲間も優秀ですからリンクを貼っておきます。
※オシレーター系のほかの仲間
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ストキャスティクスの計算式
MT4/MT5にあるストキャスティクスは、トレーダーにとって必要な何を知るためのものなのでしょうか。
この2本のラインが出るまでをおおざっぱにいうと・・
そういう要素を含んでいるので、「ゴールデンクロス」「デッドクロス」という使い方もできます。
(略すとGC、DC)
移動平均線でしかできないと思っていたのに、これができるのは画期的です。
これについては、「実際のトレード手法」に書きます。
では、どう計算されていくか順に並べましょう。
※SDは「スロー」にしたDで「%Dの移動平均線」です。
これに100をかけてパーセントにします
※実は、ここで%KとSDの計算の間に%Dの計算がありますが後で書きます。
では、SDを出すために必要な%Dの計算です。(MT4/MT5には表示されません。)
この作業を挟むことで、単純に移動平均線を出すよりもダマシを減らすことができています。
上のほうで%Dのことを「移動平均線っぽいもの」と書いたのは、間にこれが挟まるからで移動平均線よりも凝っています。
ところで、「知りたいこと」が値幅を比べる事なのでRSIと似ています。
それに、2本あるので一層多彩な使い道ができます。
難しいという方は、「間に細かい計算を挟むからダマシが減る」と単純に覚えても大丈夫です。
※n期間、SDの移動平均の期間、%Dのm期間については「ストキャスティクスの用語」「パラメーター設定と色などの変更」で解説します。
・シンプルでわかりやすいRSIに対し、ダマシを減らす工夫がされている
※移動平均線の基本はこちら
ストキャスティクス用語とトレードでの意味
計算のところで未知の用語が出ましたので、ここできちんと説明します。
ストキャスティクス各部位の用語
ストキャスティクスの各要素の名前です。
- %K:パーセントケーと呼ばれます。
- %D:パーセントディーと呼ばれます。MT4/MT5には描かれません。
- SD(Slow %D):スローディーです。MT4/MT5の設定メニューには「スローイング」と書いてあります。
あれこれ悩まず、「MT4で赤い点線になっているほう」「なんか知らないけど名前にDがついているライン」と覚えておいて良いでしょう。
トレーダーとして使いこなすことが先決です。
ストキャスティクスを構成する要素については、後の「期間」の解説でもう少し突っ込みます。
それから、ストキャスティクスの縦軸のゲージについてもここで見ておきましょう。
比率なので、下から0で始まって最高100までしかありません。
- 0レベル:一番下の水平線です。これより下にはどのラインも下がりません。
- 20レベル:これより下に%Kラインが来ると「売られすぎ」とみなします。
- 80レベル:これより上に%Kラインが来ると「買われすぎ」とみなします。
- 100レベル:一番上の水平線です。これより上にはどのラインも行きません。
計算のところで「n期間」「m期間」という記号が出てきましたが、これはパラメーター設定で変更できる数値です。
MT4/MT5での操作方法は、「パラメーター設定と色などの変更」を確認してください。
- %K期間:%K期間の「n期間」は、チャートでどのくらい過去にさかのぼるのか、の期間です。
- %D期間:%D期間の「n期間」は、%K期間と同じ期間です。
%Kに細工をするために同じになっています。 - スローイング:%Dの移動平均を出すので、「m期間」となっています。
移動平均を出してラインをなめらかにしたいので、%K期間と同じにする必要はないです。
そして比較的自由に変更することができます。 - 適用価格帯:MT4/MT5では、ストキャスティクスを出すため、終値(Close/Close)を使うのか高値安値(Low/High)を使うのかを決めることができます。
せっかく基本の計算式で使われているのですから、ふつうは(Low/High)を使います。 - 移動平均の種別:スローイングを出すのにどの種類の移動平均を使うのかということです。
単純移動平均(Simple)を使うのか、ほかの移動平均を使うのかを選べますが、これも(Simple)のままが良いです。
書いてみたら複雑になってしまいました。
挫折しかけた方は、ポイントのところだけ読んでも大丈夫です。
ストキャスティクスのメリット
シンプルでシグナルも明快なRSIも素晴らしいオシレーターです。
もう少しわかりやすく、箇条書きにしてみましょう。
- 売買シグナルが素早くでるため、良質なエントリーポイントを逃さない
- 2本のラインで、ゴールデンクロスやデッドクロスが作られるため精密な分析ができる
- ダイバージェンスが使える
- オシレーター系のなかでも汎用性が高く、とても多くのトレーダーに使われている
- 多くのトレーダーが使っているので、派生シグナルツールや解説ブログの優秀なものがある
ストキャスティクスのデメリット
初心者がいきなり使おうとすると覚えることがあって大変かもしれません。
こういった悩みは、移動平均線などの知識が増えるにしたがって解決していきます。
- 時間足によってダマシが出やすくなる(短時間なほど出やすい)
- ガーベージになるとダマシだらけになる
- ダイバージェンスも結構ダマシが多い
※ダマシは、最初からなりやすいのはいつか知っておくと回避できます。
ガーベージの解説と合わせて「実際のトレード手法」にありますのでチェックしてください。
※ダイバージェンスについてはRSIのところに詳細があります!
MT4/MT5でのストキャスティクスの出し方
- MT4:「ナビゲーター」「インディケータ」「オシレーター」「Stochastic Oscillator」
- MT5:「ナビゲータ」「指標」「オシレーター」「Stochastic Oscillator」
見つけたらチャート上でドラッグ&ドロップすれば、自動的にチャートの下にウィンドウが作られてストキャスティクスが表示されます。
※MT4/MT5の導入方法と操作方法
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パラメーター設定と色などの変更
パラメーター設定は、MT4もMT5も同じ「パラメーター」タブでします。
ストキャスティクスラインの上で右クリックしてメニューを出しましょう。
もし、相場に合わせてストキャスティクスの波を細かくしたり緩やかにしたりしたければ「%K期間」と「スローイング」だけ変えます。
下の図の例は、パラメーターを変えて緩やかにしたときとの比較です。
シグナルが出るのが遅くなりますが、トレンドの強さがわかり中長期のスイングトレードに向いた形になります。
ここで「0レベル」などのゲージも変えることができますが普通は変えません。
「スローイング」などの用語の意味は、「ストキャスティクスの各部位の用語」に書きましたのでチェックしてください。
※スローイングの移動平均を深く理解するにはこちら
色の設定は、それぞれ以下の場所でできます。
- MT4:「色の設定」タブ
- MT5:「パラメーター」タブのまま
※色設定のやり方と詳細は場合はこちらを見てください
実際のトレード手法【基本とあれ!】
ストキャスティクスのシグナルは、RSIと同じ感覚で理解することができます。
基本は80レベルと20レベルを使う
まず、ゾーンについてです。
- 80レベル以上:「買われすぎゾーン」
- 20レベル以下:「売られすぎゾーン」
このゾーンにあるかどうかで「売買の判断」をします。
相場が過熱していて、買われすぎゾーンにあればチャートは上昇トレンドになっているはずです。
そして、それが弱ってくるとストキャスティクスに如実に表れ下がってきます。
下がって80レベルよりも落ちたら、「売り」のシグナルとみてショートをします。
ロングするときは逆に見ます。
売られすぎゾーンから上がって来て「20レベルより上」に行ったらロングです。
%Kラインにはダマシが多く出ます。
しかし、上の図を見るとわかるように売りシグナルが出ても下がらないことがあります。
※これは「ガーベージ」といって厳密にはダマシとはいいません。
ダマシは、80ラインを抜けたと思ったらまた戻ったようなときをいいます。
次にダマシ回避について解説します。
ダマシ回避のポイント
デイトレやスイングトレードのエントリーで失敗しやすいです。
(大抵、1時間足以上を使っているため)
※しかし、鋭角を作ったときに素早く逆張りでスキャルすると2~3pips取れたりするので楽しいです。(1分足~5分足を使うことが多く成功しやすい)
上の図の「x」のところが「カクカク」のところです。
ここでルール通りのエントリーをすると負けます。
ガーベージについて
しばらくの間、%KとSDがゾーンの中にいて横ばっていると後でみると台形の底みたいな形を作ります。
⇒これが【ガーベージ】で、これができてからのシグナルは有効になりやすいのです。
「長く続いたトレンドが疲れ果てて落ちていく」という流れなので、いったん落ち始めると回復が難しいです。
ショートのラッキーチャンスで、長期に渡って落ち続けるのでデイトレとスイングトレードに良いです。
ロングは、20レベルの下でその形を作ってからになります。
スキャルピングでも使えますが、その後ずっと同じトレンドが続くこともあるのでもったいないと思えるかもしれません。
ゴールデンクロスとデッドクロスを使う
これまでの手法は、RSIと同じでシグナルが出るのが少し遅いです。
これはスキャルピングでも使えます。
移動平均線と考え方が同じなので、よければ移動平均線の解説記事も合わせて読んでおいてください。
- デッドクロス:%KがSDを上から落ちてきてクロスしたら、ショート
- ゴールデンクロス:%KがSDを下から上昇してクロスしたらロング
これで80レベルや20レベルまで待たなくてもエントリーができます。
これがストキャスティクスのシグナルが速いといわれる所以です。
ストキャスティクスにもダイバージェンスはある?
RSIのダイバージェンスと同じです。
※RSIのダイバージェンスのところを読んでくださいね
損切りと利益確定
ストキャスティクスを根拠にしてイグジット(損切りと利益確定)をするには、以下のようにします。
- 買われすぎゾーン、売られすぎゾーンでエントリーした場合、反対のゾーンに到達したら利益確定(1)
- エントリーしたゾーンに戻ってしまったら損切り
また、一緒に使うトレンド系のインジケーターを根拠にしてもできます。
ボリンジャーバンドで例をあげてみます。
- ショートエントリー後、ボリンジャーバンドのミドルラインの下にローソク足がある間はポジション保持、ミドルラインから上に出てしまったら損切りまたは利益確定(2)
- ロングエントリーは、この逆
なぜこんなふうにイグジットポイントを決めるかは、移動平均線の記事で詳しく説明しています。
※移動平均線の意味を知って損切りの根拠を理解しよう
※スイングトレード、デイトレード、スキャルピング、など期間別のオシレーター使いのコツはここを読んでください
組み合わせるインジケーターおすすめ
ストキャスティクスは、オシレーター系なので「損切りと利益確定」の例のようにボリンジャーバンドも合います。
最近の流行はMACDと並べてチャート分析する方法です。
⇒その時MACDラインが下がっていたら、それは買う事が出来ないと判断できます。
こんな風に「ダマシ」確認に使います。
やってみても良いですが、MT4/MT5では下の段に二つのインジケーターを並べることになりチャートも含めて最低でも3要素を分析しながらのトレードになります。
そして、慣れてきたら使うようにするのをおすすめします。
チャート上に表示するトレンド系のインジケーターなら、好きなものを使って大丈夫です。
また、ローソク足を読みこなせるならローソク足をトレンド系とみなしてストキャスティクスだけを表示してスキャルピングすることもできます。
※MACDとは?
合う銘柄とおすすめ海外業者
ストキャスティクスも、どんな相場にも使えます。
比較的スキャルピングに使うことが多いので、それだとスプレッドの狭さが必要です。
デイトレードやスイングトレードをするなら、コモディティでも株価指数でも使えます。
この場合、SDを長め(10~21くらい)にすると相場と相性がよくなります。
わからなければ「14」にしてみてください。
違和感があって使いにくければ変えましょう。
ストキャスティクスを使えるおすすめ海外業者
私たちのサイトのランキング上位で、MT4/MT5を導入しているところがおすすめです。
ただしMT4/MT5のように自由な設定変更ができません。
まとめと資料
もし、RSIやRCIを使っていていまひとつ勝てないと思ったらストキャスティクスを使ってみてください。
2本あることで、自分のレベルがアップしたように感じるのも意外とトレードの自信につながるのです。
※ほかのインジケーターを知りたいなら
※MT4に入っていないインジケーターが欲しいときは?
※ファンダメンタルズは文系向き?
【ファンダメンタルズ】金融政策と財政政策は、簡単にトレードに使える!
【ファンダメンタルで海外fx】そもそもを知ればヘッドラインを読みこなせる!