一目均衡表は、なぜこれほどトレーダーに使われているのでしょうか?
「全く意味ない」「使えない」とも批判されますが全く人気が落ちません。
実は、これを作った日本人の相場の読み方はさすがなのです。
詳細を知ると上級者に一歩近づけます。
・「時間論」「波動論」「水準論」はいったい何なのか
・MT4/MT5での設定、使い方
・おすすめ相場、おすすめ業者
・相性のいいインジケーター
もくじ
一目均衡表とは
※「トレンドの関係を見る」とは「トレンド系のインジケーター」ということです。
このインジケーターは基本だけ使えればそれなりにシグナルも有効で、基本はそんなに難しいものでもありません。
トレンド系の基本である移動平均線以上に、市場からの情報を読み取るヒントがあふれているインジケーターでもあります。
※MT4/MT5の導入方法と操作方法
【完全版】MT4(メタトレーダー4)のダウンロード・インストール方法
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一目均衡表の各部名前とトレードでの意味
部分の名前がわからないと使いようがないのでチェックしておきましょう。
(日足で説明します。)
計算の方法を知るのが一番手っ取り早いと思うので書いておきます。
ただし知らなくても使えるので、苦手な方は使い方を先に読みましょう。
使い方は「実際のトレード」にあります。
各部の名前
- 転換線(てんかんせん)=(過去9日間の高値+安値)÷2
- 基準線(きじゅんせん)=(過去26日間の高値+安値)÷2
- 先行スパン1(せんこうすぱんいち)=(転換線+基準線)÷2
- 先行スパン2(せんこうすぱんに)=(過去52日間の高値+安値)÷2
- 遅行スパン(ちこうすぱん)=当日の終値を26日(当日を含む)過去の場所に描く
- 抵抗帯(ていこうたい)(俗称は雲)=先行スパン1と先行スパン2の間
※転換線と基準線は当日を含み、当日と同じ位置に描きます。
※先行スパン1と先行スパン2は、当日を含む26日先に描きます。
※MT4/MT5では、先行スパン1は先行スパンA 、先行スパン2は先行スパンB と表示されます。
意味のある期間ってなに?
現在の値を過去に描いてみる遅行線が、過去と現在の関係を一目で見られるようにしています。
先行スパンは、意味のある3つの期間を使って未来に対して判断の基準を与えてくれています。
この数字がなぜ導き出されたかというと、作者の膨大な研究の結果からだそうです。
ここでは、トレードで勝つのが目的なので解説はここまでにします。
研究所などたくさん良い書物が出ているので、知りたい方のためにリンクをしておきます。
・作者が見つけ出した数値がキモ
・過去や未来に一定の判断基準を見せてくれる面白いインジケーター
一目均衡表のしくみと作者の相場読み【誤解と混乱】
「なんだか使いにくいな」と思わせる理由の一つに「作者の相場読み」があります。
有名な話ですが、一目均衡表の作者は日本人で「一目山人(いちもくさんじん)」というペンネームを名乗った新聞記者の細田悟一という方でした。
昭和のうちに亡くなっていて、今はお孫さんが一目均衡表の啓もう活動をされています。
さて、少しでも勉強しようという人を混乱させるのが3つの用語です。
これが相場読みに関係します。
よく解説に書いてある用語なのですが、「一体これが一目均衡表のどこにどう入っているのか?」と思ってしまいます。
なので、インジケーターとしての一目均衡表に入っていない部分もあります。
ネットも本も一目均衡表の解説と一緒に書かれていたりするので、知らないとものすごく混乱します。
そうはいっても、作者の代表作ともいえる一目均衡表ですので、これらの3つの考えはインジケーターの根底にもしっかり流れているのは間違いありません。
ここでは、作者の考え方に敬意を表して、これら3つの使い方にも簡単に触れておきます。
読むのが少し大変ですが前から、「意味不明」「理解不能」と避けていたなら、ざっくりわかるチャンスですので一度読んでみてください。
では、もう一度注意ポイントをあげておきます。
つまり、一目山人の相場哲学みたいなものです。
すべて日足で考えます。
※相場やトレンド理解に役立つ記事
【ふり幅で勝つ!】トレンドラインの引き方と手法
あえて【水平ラインだけ】で海外FXに勝つ!
トレンドラインの【始めと終わり】に疑問が残るなら
時間論
時間なので、「ある時間が過ぎると相場に変化が起きやすい」といったことです。
例えば、「高値を示した日から9日後、26日後、52日後に底を付けることが多い」のような予想をします。
しかし、これでは正直使い物になりません。
他にも、「この上げを作るまでに〇日かけて天井を付けたね」のようなことがあったとき
→「その後〇日間とか、その2倍くらいかけて下げる事って結構あるよね」「〇日かけて高値を付けたけど、きっとまた〇日くらいかけて全戻しか半戻しがあるよね」みたいな分析をしていくのが時間論のやり方です。
※元は株式の分析のために考えられたものなので、上げ相場を中心にできています。
しかし、FXやCFDのように下げ相場も分析したいときにも意外と使えます。
波動論
エリオット波動と少し考え方が似ています。
波動は【チャートの上下の波の事】です。
もちろんこの波を作るのにも時間がかかるので、時間論といっしょに語られます。
少し乱暴に簡略化していうと「相場は3つの波動ワンセットでできている」となります。
そしてこの形がアルファベットのNに似ているので「N波動」と名付けられ基本とされています。
「最初の高値を次の上げの高値が上回っているし、安値も切りあがっているからまだ買いだね」といった使い方をします。
この波のパターンが何種類もあり、研究者の挫折ポイントとなっています。
一般的にはN波動を知っていれば良いです。
そのうえで高値や安値を意識する練習をしているだけでもトレードは上手くなります。
水準論
となると、もっと難しそうですが図で見ればすぐわかります。
水準論は、「いくらかけて上がったかがわかれば、それを基準にしていくら下げるかもわかる可能性がある」みたいに言えます。
別の言い方をすると、「時間論は横向きに見て、水準論は縦に見る」ということです。
どちらも過去のx軸やy軸が動いた範囲は、「その相場を作るまでに市場で投じられたお金とか」を示しています。
そうすると、市場では利益確定がいずれ来るので「同じだけ戻るのが普通だよね」といったイメージです。
ただし強い相場なら抵抗があるので「半戻しで終わっちゃった」ということもありえます。
これならFXでも同じです。
「これだけ買ってここまで上がっているわけだから、それだけのポジションを利益確定するときが来るよね。なら同じ価格だけ下がるでしょ」と考えて「行って来い」を待つことがあります。
ただしこちらも多彩な分析があって、全てを本気で覚えようとすると大変です。
ネットで探すと検索沼にはまり時間が奪われます。
※図の例は、上昇のあと同じだけ下がる様子を描いています。
でも、「上がり切ったら同じだけ下がるかも」というだけでなく、「上昇トレンドがまだ同じだけ続くかも」ということもあるのです。
どちらにするか他の要素も合わせて分析するしかなく、この場合だと「波動論をサポートに使う」ことができます。
どうするかというと、N波動がきれいに出来そうなので「上がっていくほうかもしれない」と考えることができるわけです。
※一目山人は、株価こそが市場心理も需給も動かすのだから、株価を分析すれば全てを知ることができるといった考えを持っていたのだそうです。
※それでもファンダメンタルズが気になるならこちら
【ファンダメンタルズ】金融政策と財政政策は、簡単にトレードに使える!
【ファンダメンタルで海外fx】そもそもを知ればヘッドラインを読みこなせる!
以上、ガチ勢の皆さんからは叱られるかもしれない説明ですが、さらっと雰囲気をつかんでいただければと思います。
一目均衡表のメリット
- このインジケーターひとつで、トレンドと次の動きの可能性がだいたいわかる
- シンプルなシグナルもあるので、慣れれば使いやすい
- ゴールデンクロス・デッドクロスみたいな覚えやすいシグナルもある
- トレンド系ではトップクラスの人気なので市場が意識しやすい
※市場が意識しやすいということは、インジケーターのシグナル通りに売買する市場参加者も一定数いるということで、そうなるといっそうシグナル通りのチャートになっていくのです。
※半面、銘柄の価格を動かすだけの資金を持つ誰かが逆をやれば、人気のあるインジケーターを使う人がダマシにやられることもあります。
一目均衡表のデメリット
初心者だれもが最初に思うのが「どう見ていいかわからない」「難しそう」です。
ほかにも嫌なことがあります。
- ネットで使い方を調べると、人によって言うことが違う
- 「時間論」「波動論」「水準論」が何のことかわからず瞬殺で挫折する
- MT4/MT5で表示すると、なんだか見づらい
- MT4/MT5のメンテナンス明けなどに雲や遅行線がずれる
- 原則として日足用に作られていて、ほかの時間足に有効かどうかテクニカルアナリストによって意見が分かれる
※使い方の違いは、基本的なことはみんな同じ正しいことを言っているので、違う意見は「人それぞれの応用編」として読むと良いでしょう。
※用語については、「実際のトレード」で解説します。
※見づらさは、以前ここでADXについて書いた記事にラインの色や太さを変える方法がありますので、ぜひやってみてください。
※ずれの補正方法も一応ありますが、面倒です。「ずれの対処法」にいくつかあります。
※日足用ではありますが、実際に使ってみるとなぜか1分足でも有効だと感じます。
MT4/MT5での一目均衡表の出し方
- MT4:「ナビゲーター」「インディケータ」「トレンド」「Ichimoku Kinko Hyo」
- MT5:「ナビゲータ」「指標」「トレンド系」「Ichimoku Kinko Hyo」
MT4/MT5では、このように見つけてチャート上にドラッグ&ドロップします。
パラメーター設定と色などの変更
せっかく一目山人がすごい研究の結果出した数値ですから、そのまま使いましょう。
どうしてもパラメーターを変えたいときは、一目均衡表のどれかのラインの上で右クリックしてメニューを出して変えてください。
MT4もMT5も同じ操作です。
「パラメーター」タブで変更できますが、変えられるのは「転換線」「基準線」「先行スパンB」(先行スパン2)の3つだけです。
色の設定は、「色の設定」タブから行えます。
詳細はADXと同じなので、ADXの記事でチェックしてくださいね!
先行スパンと遅行線、ずれの対処法【裏技あり】
・「修正型の一目均衡表」をどこかから貰ってきてインストールする
・プログラムがわかるなら書き換える
という作業が必要です。
表示が1日ずれると、「ローソク足に触ったらエントリー」みたいなシグナルの信用度がゼロになります。
ずれは「ローソク足1本分足りない」もので、先行スパン1と2は1本分右側に移動するのが本当です。
そして、遅行線は1本分左側に移動するのが本当です。
これを直すのは、正直MT4/MT5内のシステムだけでは無理でパラメーター設定にもありません。
※外部インジケーターの意味と使い方
裏技
【ハイローバンドの計算式は高値と安値を足して2で割る】という一目均衡表と同じものです。
なので、期間も同じ52にすれば全く同じ形になります。
これを出しておいて、一目均衡表の先行スパン2を消せばいいわけです。
※先行スパン2を消すには「カラー」を「none」にします。
といっても、この方法では「先行スパン2」しか変えることができません。
しかも、このハイローバンドも標準装備ではなく、どこかから持ってこないといけないのです。
一応、このハイローバンドが欲しい方のためによく利用されていて、無料のダウンロード先を乗せておきます。
一目均衡表で使うのは面倒ですが、単独のハイローバンドもなかなか使えるので、この機会にMT4/MT5に導入しておいても損はありません。
● MT4用:https://www.abysse.co.jp/mt4/indicator_name_h.html#google_vignette
ここの”HiLoBands.mq4”をダウンロードしましょう。
● MT5用:https://www.abysse.co.jp/mt5/indicator_name_d.html
MT4用と名前が違います。
“Donchian_Channel.mq5”をダウンロードしましょう。
(悪いサイトではないですが、無料でインジケーターをダウンロードできるかわりに広告収入で運営しているようですので仕方ないです。)
ここまで書きましたが、シグナルが1日分(1時間足なら1時間分だし、1分足なら1分分ですが)ずれてしまうのは本当に困ります。
ただし、形の分析と大きなトレンドの波を確認するだけならそのままでも充分使えます。
神経質になりすぎずに、ローソク足をしっかり見て使えばそんなにダメトレードにはなりません。
実際のトレード
世の中に難しい解説はありますが、相当じっくり取り組む気構えがないと時間と労力を半端なく使います。
その労力に見合うトレード成績を出せるかどうかもわかりません。
全てを知らなくても勝てるので、ここでも良く使われるシンプルなものだけをご紹介することにします。
雲の分析とシグナル
- 雲を突き抜けるほど強い上昇トレンドなので、この後のトレンドも強いだろうと見ることができる
- ローソク足は、よく雲に触っては上がっていくので、この下げは一時的で押し目だと判断、トレンドは続くとみる(下降トレンドは逆)
雲の厚みも重要な情報源で、薄い雲は破られやすい(雲を無視してチャートが上下しやすい)とされています。
※ずれが気になるのは超短期で押し目のタイミングを使うときです。本来とは少し早めに雲とローソク足が触れるので、少しだけ様子を見てからエントリーするなどで対応しましょう。
遅行線のシグナル
移動平均線のように使えます。
上昇トレンドのとき→遅行線はローソク足の上にあります
下降トレンドのとき→ローソク足の下にあります
- 遅行線が過去のローソク足を下から上抜けたときは、現在のチャートは力強く上昇を始めているので、上昇トレンド発生と見る(下降トレンドは逆)
- 遅行線が落ちてローソク足に触れても、上にあるうちは上昇トレンド継続と見る(下降トレンドは逆)
※上に書いた「ずれ」のせいで2.のときは早くローソク足に触ったりします。
慌てずによく見て判断しましょう。
転換線と基準線のゴールデンクロス、デッドクロス
赤い転換線と青い基準線は、移動平均線によく似たふるまいをします。
そこで、ゴールデンクロスやデッドクロスのシグナルが有効です。
ただし、パラメーターが決まっているためシグナルが出るのは一般に遅めです。
また、ダマシが出やすいのも特徴です。
もう少し早くシグナルを発見したいなら、
- 1 転換線と基準線のゴールデンクロス
- A 全体が下降トレンドなのにゴールデンクロスが出ているので、ダマシ。ただし超短期ではロングで勝てる場面
このシグナルは有名ですが、これだけだとやはり移動平均線のほうが使いやすいかもしれません。
※移動平均線の使い方はこちら
【一度逃げた人用】本当にわかってる?移動平均線のすべて
業者別にSMAとEMAを使い分けよう【移動平均線でテクニカル上級をめざす】
組み合わせるインジケーター
初心者で一つだけ選ぶなら、トレンドの強弱を見分けることのできるADXなどが良いでしょう。
これで安心して強いトレンドを追いかけることができます。
他に、オシレーター系と言われるものは何でも一緒に使えます。
合う銘柄とおすすめ海外業者
基本、何にでも使えます。
合う銘柄
特に、個別株と株価指数にすごく合います。
海外FXでは、iFOREXのように日本株ができるものがあるので、分析をMT4/MT5でしてからトレードするのもおすすめです。
米株やS&Pのトレードにももちろん使えます。
日足をじっくり分析して中長期で使うのが基本ですが、雲とローソク足の関係は経験的に1分足などのスキャルピングやハイローオーストラリアでも使えるのが面白いところです。
XMなら中長期トレードがしやすく、株価指数のダウ(US30)もできます。
まとめ
賛否両論のある一目均衡表の話題でした。
初めて使うという方は、「遅行線だけ使ってみる」という方法もあります。
少しずつわかると面白くなってきますので、是非やってみてください。
※ほかのインジケーターも気になるなら
※インジケーターを相場に合わせる方法も書いてある!
※おすすめ業者はこちら
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