「スキャルピングするからファンダメンタルズは不要」と言っているトレーダーにも必ずスランプは来ます。
そこで見直すのが、ファンダメンタルズで「やっぱり必要だ」と考え直します。
今回は土台となる知識をわかりやすくめちゃめちゃ簡単にまとめます。
・政府がお金(通貨)に関してやっている事とトレードへの影響
・経済指標の読み方とトレード手法
中央銀行には明確な目的があります。
各国の政府も目的や目標がちゃんとあって、ただミサイルを撃ってみるだけではないのです。
もくじ
FXで必要なファンダメンタルズが3つだけって本当?
FXのファンダメンタルズ分析は3つだけ見ればいいとされます。
- 中央銀行の動向
- 政府の動向
- それを客観的に表す経済指標
これだけでいいです。
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しかし、そう言われてもとても難しそうです。
海外FXで効率よいレバレッジを使う我々は、ファンダメンタルズ分析も効率よく行わなくてはなりません。
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【厳選3業者】スキャルピングやるトレーダーにおすすめはここ!
【負けても安心!】実は海外FXのスキャルピングは負けた時のリスクが小さいわけとは?
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この3つでファンダメンタルズ分析をするメリットデメリット
※上に書いた3つの要素でのポイントは「政策」で、政策の根拠になるのが経済指標です。
- 中央銀行は「金融政策」を作って実行しています。
- 政府は「財政政策」を作って実行しています。
(ここでは財政政策は、経済政策と同じ意味で使っています。)
3つを理解するメリット
この3つのうち、「金融政策」と「財政政策」は国の経済活動の土台となる政策です。
その政策を決めるために常に出されるのが、「GDP」「雇用統計」「景況指数」などの経済指標です。
⇒土台なので、これがないとそこから政策を展開できず国の経済が行き詰ってしまいます。
トレーダーにとっても、土台に何があるかわからないままファンダメンタルズ分析をしようと試みても不明瞭なまま進むことになるのです。
そうすると雇用統計がおかしな結果になっても疑問を抱かずにポジションを持ち続けて、損失を膨らませてしまうかもしれません。
3つを理解するデメリット
これらの情報だけでは、もちろんファンダメンタルズ分析としては完璧とはいえず銘柄ごとの分析には不十分です。
(少し前の材木ショックについて知りたければ、シカゴの材木のチャートを見るほうがいいでしょう。)
※SOX指数については「SOX指数の意味と使い方」に詳しく書きました。
そして、当たり前なのですがスキャルピングなど超短期でのトレードはこれらの情報だけではなかなか勝てません。
それどころか、ファンダメンタルズ情報にこだわりすぎてエントリーやイグジットのチャンスを逃すことすらあり得ます。
※こんな手法もあります
スキャルピングと中長期トレードで【ブレイクアウト】を使おう
海外fx口座を選んでスキャルピングテクニック8パターンをマスターする!
※シカゴ材木先物(Bloomberg)
https://www.bloomberg.co.jp/quote/LB1:COM
金融政策と財政政策を知れば勝てる!かも
(グラフは、日本の1995年からGDPの前年度比で右端が2020年の4月)
ここからは、スキャルピングではなく中長期のトレードのために解説します。
※中長期トレードにぴったりなのはXM
「国のお金係」である中央銀行は、お金に関して政策を行っていきます。
政府は国民の暮らしや国防に関してやっていきます。
中央銀行と政府は、不正防止のためにも「お互い独立していてください」と決まっています。
そうはいっても、国のお金に対しての采配ですからどうしてもつながる部分があります。
それは仕方ないことで、トレーダーにとっては市況を捉えられればそれで良いです。
では、あとで米国とEUについても説明しますが最初に日本についてまとめておきます。
※ファンダメンタルズに慣れるためには最初にこちらを読んでおこう!
日本の金融政策とは
(図は日銀のホームページ)
https://www.boj.or.jp/
どこの国の中央銀行も「使命」とか「マンデート」とか呼ばれる目的があります。
日本銀行も「使命」を行動基準に動いているわけですが、実際は何をどうしているのでしょうか。
日本の金融政策ざっくり
「使命」をどうやって果たすかの話し合いになります。
以下に、日銀のやっていることを表にしてみました。
目的や目指すこと(使命) | ● 物価の安定 ● 金融システムの安定 |
何をするか | ● 物価の安定のために政策金利を操作したり、金融システムの安定のために市中の銀行にお金を貸してあげたりする |
目的との関係は? | ● 金利を上げたり下げたりする。するとお金の価値が変わって、モノの価値が逆相関し、インフレ対策やデフレ対策として機能する ● 資金繰りに困った市中の銀行にお金を貸して国内のお金の流れを滞らなくさせる |
景気を安定させる⇒物価をコントロールする必要があり、そのために政策金利を上げたり下げたりすることはよく知られています。
一般に物価が上がりすぎてインフレになると、金利を上げて「引き締め」ということをします。
2022年、世界的にインフレ傾向でアメリカなどは引き締めに向かっていましたが日本はまだ「緩和」をしていました。
また、世界的に珍しいイールドカーブコントロールということをしていて国債の金利を一定に保つような操作をしています。
「緩和」をすると、企業が銀行から借り入れをするときにも利息は低いので事業を展開しやすくなり景気回復につながるとされています。
実際にちゃんと効果があるかは別問題ですが、市場参加者はこれを元に予測を立てながら為替や株を売買しています。
※日本銀行の目的は何ですか?(教えて! にちぎん)
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a01.htm/
政府の財政政策は何をしている?
※こちらを考えて実行するのは、中央銀行ではなくて政府になります。
究極の目的は、景気を安定させて国民が幸せに暮らすようにすることです。
そのため、財政活動が下の表の「財政政策ざっくり」にあるようなことです。
みたいなことができればインバウンド景気が良くなり、通貨の価値や株価も変わってきます。
政府が財政や経済を良くしようとして取る政策は、こういった臨機応変なものもよくあります。
財政政策ざっくり
国のために使うお金については「予算案」が「国会」で取り上げられてどうするか決めています。
目的や目指すこと | ●資源配分の調整 ●所得の再分配 ●景気の安定化機能 |
何をするか | ●警察などのことを「公共財」といい、それを供給するのが資源配分の調整 ●所得の再分配は、お金持ちからたくさん税金を取って福祉活動などに充てること ●景気は良すぎても悪すぎてもいけないので、景気が良すぎたら課税ネタを増やすなどで調整する |
目的との関係は? | ●企業と同じで、予算を立ててお金の出入りをコントロールするため、その計画を「会計制度」で管理する ●赤字(財政赤字)になったら借金をするので、このときに国債などの「公債」を発行し、これで景気の安定をはかる |
米国とEUの金融政策、財政政策
では他の国のうち、通貨の流動性の高い先進国はどうでしょうか。
中央銀行にあたる組織には、それぞれ目的がありそれを目指して活動しています。
財政政策の目指すことは日本とそんなに変わりません。
そして、それぞれ国の事情に合わせた政策が決められて実行されていきます。
米国
(図はFedのホームページ)
https://www.federalreserve.gov/aboutthefed.htm
州ごとに中央銀行の役割を果たす「連銀」という組織があり、普段は自分の州の金融政策を行っています。
とはいえトレーダー的には日本銀行と同じと思って大丈夫です。
話し合いをする組織名がFRB(Fedとも)と呼ばれ、そのデュアルマンデート(目的、dual mandate)は以下のように決まっています。
- 物価の安定(stable prices)
- 雇用の最大化(maximum employment)
このため、金融政策を話し合う際に雇用を気にするし物価も気にするのです。
雇用統計が騒がれる理由の一つです。
そして、一番大事な政策金利は「FF金利」で「フェデラル・ファンド金利」という意味です。
財政政策については、予算の編成がホワイトハウスの中の組織で行われるのでここは日本と違うところです。
※米国予算編成プロセスの紹介
https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/02061401.html
EU
(図はECBのホームページ)
https://www.ecb.europa.eu/home/html/index.en.html
ご存じのように、EUは欧州連合といって加盟国の集まりです。
目的は一つに絞られます。
EU圏内の物価安定
達成するためには、経済成長や雇用の安定が必要でありそれも目指しています。
ECBの金融政策は、ドイツのフランクフルトで話し合われて政策金利などが決められます。
決まったことを伝えると加盟国の各中央銀行が金融調整を行います。
⇒ここで決まった政策金利は「ECB政策金利」と呼ばれます。
【米国と大きく違う点】ゼロ金利政策をしていることで、ECB政策金利はずっとゼロ近辺に抑えています。
ただし、世界的なインフレのため今後は利上げするといわれています。
財政政策は、それぞれの加盟国ごとに異なります。
(ここでは、全てを網羅できないのでまたの機会にしますが目的や方法は米国とほぼ同じです。)
ちなみに欧州委員会は、「基本条約や各種法令の遵守」を確保することを義務としています。
しかし、これも義務を果たす中で行われていることのようです。
(それが嫌だったのも、英国がEUから出たかった理由の一つだったようです。)
※EUの規格(キーエンス)
https://www.keyence.co.jp/global/special/other/export/products/02/
経済指標はここを見る
(MT5では経済指標の時間がチャートに表示できる)
どこでも共通して「物価を安定させたい」と願っていることがわかりました。
FX情報サイトを見ても、いつも「CPIがどうのこうの」と話題にしています。
でも、他にも大切なことがありそうです。
ここでは、金融政策と財政政策と経済指標の関係をトレーダー目線からまとめました。
【ファンダメンタルズで海外fx】そもそもを知ればヘッドラインを読みこなせる!の「今気になる【8つの指標の読み方】」のところと合わせてチェックしておいてください。
金融政策
強く関係する経済指標 | 意味 | 使い方 | 注意 | トレード |
---|---|---|---|---|
金融政策発表 | 指標といえる数値が一度に発表されるが、重要なのが政策金利。 | インフレなら政策金利を上げると物価が下がる。これはどの国も共通。 | インフレの種類がいくつかあって、インフレを消せばいいという話でもない。 また、現代はキャッシュレス社会に向かっていて政策金利操作の効果が不透明になってきている。物価を思い通りにできるかどうかわからないうえ、株価や為替が素直に動かないこともしばしば。 | 「織り込み済み」が起きるので政策金利が正式に発表される頃には為替の動きが終わっていることも。 金利を上げる発表があると通貨が下がることすらある。 中長期で考えつつ、早めに自分で金利の予想を立てておくこと。 |
CPI | 物価が上がっているかどうか。数値が前よりも大きいなら物価は上がっている | 先進国が目標にしているのが2%なので、これより離れすぎているかどうかを見る。 目標よりも高すぎるとインフレ。 目標よりも低すぎるとデフレ。 いずれも調整の必要がある。 | CPIを調整するために中央銀行が動く。 噂だけで為替が上下してしまうことが多い。 | 金融政策を決めるもとになるので、CPI発表時に為替がパッと動くことがある |
雇用統計 | 国民みんなに仕事があって、充分に賃金をもらえているかどうか。 | 失業者数は減っていたほうが良い。 雇用者数と時給は増えていたほうが良い。 | 注目度が下がりすぐに通貨が動くことが減ってきた。 といっても中央銀行はこれを元に政策を話し合う。 | 毎回忘れずにチェックすると良い。 全体像をつかむだけになるが、知らないと困る指標。 |
国債の利回り | 国の借金の利息が上がったか?下がったか? | 主にみられるのが10年物国債の利回り。 日本はこれを一定に保つという金融政策を行っている。 それ以外の国も、上がりすぎ下がりすぎには警戒する。 | 一般にこれと株価が逆相関するといわれる。 ただし株のセクターでも違いがあり、一概にいえない。 通貨と相関しやすいといわれるが、必ずではない。 | 毎朝チェックが必要。 急変があれば中央銀行も注目するので、次の金融政策に影響する。 途上国ではとんでもない値になり、国の信用が下がり通貨も暴落することがある。 |
経済指標だけでなくドットチャートの話題に代表されるように、日銀やFOMCメンバーの性格や人事など深堀りすると面白く市場の変化にも関係することがあります。
日銀なら「日銀短観」を出して景気動向などを発表しますので、そのときにも為替が動くことがあります。
色々ありますがトレードに使えるかどうかだけ考えるのなら、そんなに深掘りをする必要はありません。
tweetのネタや趣味で調べるだけになるでしょう。
※MT5を使うなら
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財政政策
それに時代によって変わってしまうことも多いです。
(2020年頃なら、ウイルスに感染した人の数が重要な指標となっているのがいい例です。)
といっても、不変的なものもあるので一応こんな一覧にしました。
強く関係する経済指標 | 意味 | 使い方 | 注意 | トレード |
---|---|---|---|---|
GDP | 国民がいくら稼いだか。 | 国民が稼げている国のほうが景気良いと見る。 | デフレーターなどGDPの仲間がたくさんあるが覚えるのはつらい。 ポイントは「名目値」と「実質値」を区別すること。 実質値のほうが成長をはっきり表す。 | GDPが高い国は「強い国」とみなされる。 これとドルインデックスなどの通貨インデックスを見比べて、どちらも強ければ本当に強い通貨。 ただしインデックスは上下するので長期でのトレードの基礎として押さえておく。 |
その他の指標 | 景況感、その時代に注目される指標 |
国によって「貿易統計」が重要なことがあります。
昔の日本のように、輸出品で外貨を稼いでいた国にとって貿易は収入の要です。
今だと、オーストラリアが資源を輸出しているのでよく注目されます。
輸出産業で有名な国を見るときは思い出してください。
※そろそろこの手法を試す時が来そうです!【オーストラリアドル】高配当ねらいのキャリートレードはもう古い?
他に気になる指標は?
2020年ごろから半導体が不足し、価格が世界的に上昇しています。
そこで、SOX指数の確認が必要になってきました。
ここでは、「SOX指数」と「VIX指数」を取り上げます。
SOX指数の意味と使い方
これらの株価が上がればSOX指数が上がるというわかりやすい指標です。
普通はSOX指数が上がっているということは半導体価格も上がっているということになるので、関係するものはたくさんありますから時間が経てば次第に物価が上がってきます。
その前に、日本株なら東芝やソニーといった関連株が上がり始めたりします。
(必ずそうなるわけではありません!)
半導体が長い間不足し続けるとパソコンなどの輸入品が高くなり、そうしていくうちに輸入している方の通貨価値が下がり始めます。
- SOX指数の使い方⇒市況判断の材料としてウォッチする
半導体価格が経済ニュースで取り上げられなくなるまでは、これをチェックする習慣をつけておいた方が良いでしょう。
VIX指数の意味と使い方
米国のを指数化したもので、上がれば上がるほど「恐怖」が大きいとされます。
つまり、「大きな価格変動が起きて相場が荒れて危ないですよ」というのを数値で教えてくれます。
主に株式市場の暴落があるかどうかを予測するのに使われるのですが、こちらも最近はあてにならなくなりました。
以前は「30を超えると危険」といわれていましたが、平常時は10~20の間で動くとされます。
2016年頃からとんでもない数値になることがよく起きるようになり、そういう見方をするトレーダーも減っています。
それよりも、VIX指数そのものをトレードできる海外FXがあるのでその方が利益に近づけます。
VIX指数は、チャートの癖として「ある日とんでもなく上がった」後に、すぐにまた戻りがちなのです。
このタイミングを狙ってスキャルピングの逆張りをすることができます。
といっても、ニューヨーク時間に起きていなくてはなりませんしある程度のスキャルピングの腕もないと勝てませんがわかりやすい癖なので美味しい狙い目といえるのです。
- VIX指数の使い方⇒ズバリ「トレードする」です
VIX指数は海外FX向きな理由
過去に日本のETN(ETFみたいなもの)でVIX指数に連動したものがあり、それが急落して多くの投資家が損をしました。
(株式市場が暴落するとVIX指数は上昇するためです。)
※なぜ野村證券はETNの早期償還を謝罪したのか(fromHC)
https://www.fromhc.com/column/2018/08/etn.html
一方、海外FXではETNではなくCFDなので銘柄として価格の上下の条件がシンプルで本物のVIX指数に連動するだけです。
しかも、海外FXではゼロカットシステムによって顧客の資金が守られるので日本で起きたVIXショックのようなことは起きないです。
海外FXでは、以下の業者がVIX指数を扱っているので口座を持っている人はチャートを開いてみましょう。
HFM(旧ホットフォレックス)の評判ってどう?7つのメリットとは?
IFC Marketsの評判って?保険加入してる安心FX業者
iFOREX(アイフォレックス)の評判ってどう?【体験談】14メリットと10デメリット
便利なリンクと【まとめ】
簡潔にしようとしましたが、どうしても漢字が多くなってしまいました。
為替を発行し動かすサイドの人々が何を目的にどう動いているのか知ったら、あとは存分にトレードするだけです。
こちらのリンク集もぜひ参考にしてください。
※ヘッドラインの読み方をもう一度読み返したい方はこちら
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