「副業としてFXを行い副収入を得ている人」
「FXだけで収入を得ている専業トレーダー」
それぞれ税金の仕組みは複雑であり、国内FXと海外FXでも税金の仕組みが大きく違います。
国内FXと海外FXの税金の仕組みの違い
FXでは確定申告が必要なのか?
はい、必要です!
【国内FXの場合】
(確定申告の書類には「収入」と書いてあります。)
2月中旬から3月中旬にかけて行われる「確定申告」が必要になります。
(2020年の確定申告は、コロナ過の為4月まで延長されましたが2021年からは通常に戻る見込みです。)
自分で資料を作成し税務署に届け出なければなりません。
専業トレーダーや専業主婦でFXをしている場合も同様です。
【確定申告が不必要ケース】
①FXで利益をあげられなかった場合。(損失の方が大きかった場合)
→この場合は納税額がゼロなので確定申告しなくてもいいです。
(後ほど説明しますが、「繰越控除」という仕組みがありますので損失の方が大きかった場合も確定申告した方がいいというケースもあります。)
②利益があまり大きくない場合も控除されるので確定申告の必要はありません。
【確定申告が必要な金額】
- 給与所得者 1年間のFXの利益(収入)が20万円以上(※)
- 個人事業者・主婦・学生 1年間のFXの利益(収入)が
38万円以上
(※2020年改正あり)
つまり専業主婦で1年間のFXの利益が35万円だった場合、確定申告する必要はないということになります。
※FXの利益には為替差益による「キャピタルゲイン」だけではなく、スワップポイントによる「インカムゲイン」も含まれます。
※FXの利益に課せられる税率というものは、国内FXと海外FXではまったく異なるので、しっかりと認識しておくことが重要です。
※2020年から始まった改正での変更点
- 給与所得控除額引き下げ
(給与収入が850万をこえた上限が1965万) - 基礎控除は38万から48万に引き上げ
(個人事業者などは収入48万円までは確定申告しなくてよい) - 公的年金控除額は10万の引き下げ
(所得金額調整控除あり、FXには直接関係なし) - 個人事業主の青色申告特別控除額は65万から55万に引き下げ
(事業とFXをしている人は関係あり。
基礎控除が上がっているので、所得が低い人は変わらない。
そのボーダーラインは所得2,400万) - 個人事業主がe-Taxで申告するなどの場合、65万の控除が可能
国内FXの税金の具体例
【国内FXの場合】
- FXの利益(収入)は「先物取引に係わる雑所得等」という扱い
- 「申告分離課税」で税率は「一律20.315%」
(内訳は、「所得税15%」「住民税5%」「復興特別所得税0.315%」)
101,575円の税金を納めなければなりません。
※「利益50万-納税額101,575=納税後398,425円」となります。
35万円利益があって確定申告しなくていい人と、50万円の利益で確定申告して納税後に利益が40万円弱になる人ではほとんど差がないということになります。
40万円前後のFX利益になる人は、この辺りをよく計算して利益をコントロールしていく必要があるでしょう!
※この点については後述する節税のポイントでお伝えしていきます。
(損益通算については、先物取引に係わる雑所得等以外の所得との計算はできません。)
※ただし国内FXの場合は「繰越控除が3年間」があります。
1年目50万円の損失、2年目も50万円の損失、3年目で100万円の利益だった場合は相殺されて利益はゼロになります。
「納税額もゼロ」ということです。
これは損失が出た年も確定申告していないと適用されません。
FXで1年間の収支がマイナスだった場合も確定申告はすることが大切です。
海外FXの税金の具体例
総合課税なので、純粋に海外FXの利益(収入)で税率が決まるわけではありません!
また、税率によって「所得控除額」も変わっていきます。
- 利益20万~195万円以下
税率15%(所得税5%)所得控除額0円 - 利益195万~330万円以下
税率20%(所得税10%)所得控除額97,500円 - 利益330万~695万円以下
税率30%(所得税20%)所得控除額427,500円 - 利益695万~900万円以下
税率33%(所得税23%)所得控除額636,000円 - 利益900万~1,800万円以下
税率43%(所得税33%)所得控除額1,536,000円 - 利益1,800万~4,000万円以下
税率50%(所得税40%)所得控除額2,796,000円 - 利益4000万~
税率55%(所得税45%)所得控除額4,796,000円
※表は国税局のページ「所得税の算出」
(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)より計算
※合計所得700万×33%-控除額636,000=納税額1,674,000円となります。
(所得税の2.1%として復興特別所得税の納税額は含んでいません。)
※控除はとてもお得な制度で、絶対に使った方がいいものです。
(別枠になっているからです。)
ただし、不動産所得の赤字との損益通算は可能です。
会社員の場合→源泉徴収をしている場合は、1年間の給料から引かれた差額が海外FXの納税額ということになります。
専業主婦の場合→海外FXの利益(収入)が330万円以下だと確実に国内FXよりも納税額が少なくなることがわかります。
もう少し細かく見ていくと、400万円の利益(収入)であっても海外FXの方が納税額は少なくなります。
※海外FXと国内FXではこんなに違いがあります!
海外FXはどうやって節税できるのか
海外FXの税金のメリットとデメリット
- メリット→(利益が少ない場合)税率も低く抑えられるので納税額が国内FXよりも少なく済むということ
- デメリット→「3年間の繰越控除がない」という点も忘れないようにするべき
国内FXと海外FXで納税額が変わるラインはどこになるのか把握しておくことは重要です!
同じ金額だった場合、どのような違いがあるのか3つの例を比較してみましょう。
(給与所得に関する控除や経費は抜きの設定です。)
- 国内FXで利益が300万円の場合
300万円×20.315%=納税額609,450円 - 給与所得と海外FXとの利益が300万円の場合
300万円×10%=所得税30万円、30万円×2.1%=復興特別所得税6,300円
300万円×10%=住民税30万円
30万円+6300円+30万円-控除97,500円=納税額508,800円
となります。
給与所得と海外FXの利益の合計が300万円だと納税額は海外FXの方が10万円ほど少なくなります。
⇒これは給与所得がなく、海外FXの利益(収入)のみの場合にも当てはまります。
※FX専属トレーダーで同じ300万円を稼ぐのだったら海外FXの方が納税額を抑えられて有利ということです。
- 国内FXで利益が420万円の場合
420万円×20.315%=納税額853,230円 - 給与所得と海外FXとの利益が420万円の場合
420万円×20%=所得税84万円、84万円×2.1%=復興特別所得税17,640円420万円×10%=住民税42万円
84万円+17,640円+42万円-控除427,500円=納税額850,140円
となります。
420万円の利益であればギリギリですが、海外FXの方が納税額は少ないです。
わずか3,090円の差額ですので、ほぼ同額の納税額と考えていいでしょう。
ここが国内FXと海外FXの境目となります。
・副業で海外FXを行う場合、給与所得との兼ね合いで税率が大きく左右されます。
その点も考慮しなければいけません。
・仮にFX専業トレーダーで420万円までの利益を目標にしているのであれば、海外FXに投資することをおすすめします。
・FXを始めたばかりの年は利益よりも損失の方が出る可能性が高くなります。
海外FXではその損失は翌年に繰越することができません。
例)1年目:海外FXの利益(収入)マイナス50万円
⇒納税額はゼロ
2年目:海外FXの利益(収入)プラス50万円
⇒課税の対象になる
これが国内FXであれば繰越控除の対象になるため、2年目のプラス50万円は1年目のマイナス50万円と相殺されるので「納税はゼロ」になります。
通常の納税額になるので、ここはFX初心者にとっては大事なところでしょう。
ですから、経験を積んで毎年FXで確実に利益が出せるようになってから国内FXから海外FXに移るという選択肢もあります。
※トレードがうまくなりたいならこちら
一般的に海外FXの方が、税金がかかるので不利だと思われています。
実際に計算してみると意外にそうでもないことに気がつきます。
むしろ、海外FXの方が税金面で有利に働くケースもあるのです。
この違いについては、しっかりと認識しておくことが大切になります。
節税のポイントは経費
「FXの利益-経費=FXの儲け」
FXの儲けに対して課税される仕組みです。
※税金は、あくまでも「儲け」に対して発生します。
確定申告の際は、為替差益やスワップポイントで得たFXの利益だけでなくそのために費やした「経費」も同時に申告します。
経費を一切申告しなければ「FXの利益=FXの儲け」になってしまい、かなりの金額を損しています。
その点は税務署が手助けしてくれるわけではありませんので、自分で領収書などを保管して積極的に正しく申告してください。
それではFXの経費とはどのようなものがあるのでしょうか?
例1)FXのセミナーに参加して、書籍を購入した。
毎回、一つ一つ丁寧に領収書を保管して確認できるようにしておきましょう。
例2)海外FX大手のXM Tradingを利用しており、アカウントはZero口座。
この手数料は経費として申告可能です!
※FXでは手数料とも呼べる「スプレッド」という買値と売値での差がありますが、こちらについては経費として認められていません。
スプレッドの広さでは、納税額にはまったく影響がないということです。
積もり積もればかなりの金額になりますので、申告するのとしないのでは納税額も大きく変わってくるはずです。
※スプレッドで業者選びしてみよう!
例3)システムトレードをするために有料EAを購入した。
この場合、EAの購入代金は経費として申告できます。
EAを稼働させてシステムトレードをしていくためには、仮想サーバー(VPS)も必要になってきます。
(一定の条件を満たせば無料でVPSを利用できるサービスもあります。)
※有料だとしても、こちらの費用も経費として申告できます。
システムトレードをするのであれば、VPSを利用するのはもちろんのことEA・VPSの費用の申告は必ず行ってください。
※EAとは?使い方とおすすめはこちら
例4)FXをするためのパソコンやWifiを購入した。
※ただしパソコンの代金が高額な場合は、一括で経費として申告ができず減価償却での申告になります。
※白色申告と青色申告では一度に必要経費として申告できる金額が異なります。
※海外FXをするためのインターネット費用、携帯電話料金も経費として申告できますが、自宅を利用している場合は按分となります。
困ったら税理士に確認することや、確定申告時に税務署で質問してみることをおすすめします。
例5)Axioryの本社見学のためにベリーズに旅行に出かけた
※もし確認を求められたときのために、いつ会社訪問をしどのような相手とどんな話をしたのかなど記録しておくのがいいでしょう。
※遊びの旅行とは異なるという点を証明できる準備が必要です。
会社訪問時の写真や動画撮影などもしておくと証明しやすいです。
(領収書を残しておくことは当然な話です。)
もちろん、ついでに他の国を旅行した費用については申告することはできません。
海外FXの勉強に関する部分だけを経費として申告しましょう。
利益確定のタイミングでも節税は可能
※海外FXは累進課税なので、経費を差し引いた利益(収入)分が数万円違うだけでも税率が変わる場合があります。
※FXは決済した段階で課税対象となりますが、決済せずに含み益を抱えている場合は課税対象にはなりません。
利益の合計金額を事前に計算しておき、含み益の生じているポジションの半分だけを決済するといった工夫もできるということです。
(ただし個人ではなく、法人の場合は未決済ポジションでも課税対象となりますので注意してください。)
しかし、せっかく含み益が生じている状態で年越しすると・・
年末年始の大きな為替変動によって含み損に変わってしまう心配もあります。
こういった場合、年末だけ「両建て」しておくという方法があります。
→年始に未決済ポジション量と同じ分だけ両建てする。
年始に含み益が50万円生じても同時に含み益も50万円生じるので、ここで両方決済すると当初の含み益200万円を維持できます。
【両建てのリスク】
- (プラススワップポイントよりもマイナススワップポイントの負担が大きくなると)
その分の損失が出たり、スプレッドの分だけコストはかかってしまいます。
その点は仕方がないという割りきりが必要です。 - 別アカウントで両建てすると証拠金は2倍必要になります。
- 別アカウントだと、(海外FXならではの超ハイレバレッジの特性で)証拠金不足のために含み損を抱えたポジションが強制ロスカットになってしまい、その後ですぐに反発して含み損も減っていきます。
その点、同じアカウントで両建てすればその心配は必要ありません。
※スワップポイントや両建て【簡単?それとも】
まとめ
状況によっては国内FXがお得になったり、逆に海外FXがお得になったりします。
その違いを知っておくとFXの納税額をできる限り抑えて、最大限の利益を確保することが可能です。
海外FXは税金が高いという先入観があるかもしれません。
しかし、やり方によっては海外FXの方が有利なケースがあるということを知っておきましょう。
経費についてもしっかり申告していけば、500万円の利益であっても海外FXの方が納税額は少なくなるでしょう。
納税面の海外FXのメリットを有効活用できるようにしながら、大切な資産を効果的に増やしていきましょう!
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※納税で困るほど海外FXで稼いでみたい!手法とテクニックはこちら